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腹膜播種患者における腹腔内免疫微小環境の解明と治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 23K08117
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分55020:消化器外科学関連
研究機関自治医科大学

研究代表者

倉科 憲太郎  自治医科大学, 医学部, 准教授 (70382900)

研究分担者 北山 丈二  自治医科大学, 医学部, 教授 (20251308)
山口 博紀  自治医科大学, 医学部, 教授 (20376445)
齋藤 晶  自治医科大学, 医学部, 非常勤講師 (20721608)
大澤 英之  自治医科大学, 医学部, 准教授 (60458271)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワード腹腔免疫 / 腹膜播種 / 腹水 / 腹腔内化学療法 / フローサイトメトリー / 好酸球 / マクロファージ / T細胞 / 大網乳斑
研究開始時の研究の概要

腹腔内は特殊な免疫システムを有しており、腹膜播種の病態と深く関わっていると考えられる。播種の進行や治療に伴うヒト腹腔免疫に関する情報は乏しい。そこで、様々なステージの胃癌・膵癌患者の腹腔洗浄液と大網組織を採取し、構成する免疫細胞の表現型と機能を、flowcytometryによるt-SNE解析、多重免疫組織染色、mRNA発現の定量解析を駆使して詳細に調査し、腹膜播種の進行や抗癌剤治療に伴うヒト腹腔免疫の変化を明らかにする。その結果から、腹腔免疫が腹膜播種の発症や治療効果に及ぼす影響を明らかにし、がん免疫微小環境を調節することで播種を制御するという新規治療戦略の開発に繋げることを目指す。

研究実績の概要

腹腔内には多種多様な免疫細胞が存在するが、腹膜播種(PM)の発症および進行の過程にどのように関与しているかは不明である。進行胃癌患者 122 名の腹水または腹膜洗浄液から単細胞懸濁液を採取し、CD45、CD326 (EpCAM)、CD45、CD11b、CD19、CD14、CD66b、CD163、CD3、CD8、CD4、CD56 に対する mAb で染色、 フローサイトメトリーを使用して、CD45(+) 白血球中の各免疫細胞の比率を評価した。
PM(-)患者と比較して、PM(+)患者のCD8(+) T細胞、CD3(-) CD56(+) NK 細胞、 CD3(+) CD56(+) NKT 細胞の頻度は有意に低く、CD19(+) B 細胞および CD11b(+) CD14(+)マクロファージは有意に増加していた。 PM(+)患者のマクロファージはCD16、CD163を高度に発現しており、サイズが大きく顆粒を豊富に含んでいた。また、アレイ分析により、 CCL13、CCL23、IL-6 の発現が高い一方で、CCR2、CCR3 の発現が低下していた。
S-1/オキサリプラチン+PTX腹腔内投与併用療法を受けた15症例の治療前後で免疫細胞の割合を比較したところ、治療後に好酸球の割合が増加していた(p=0.0006)。治療開始後に細胞診が陰性であった11例と陰転化しなかった4症例とで検討すると、前者では有意な好酸球の割合の増加を認めたのに対し、後者では有意な増加は認めなかった。
腹腔内の免疫微小環境は PM の存在によって大きく変化する。 PM 形成の過程で、多くの CD16(+) CD163(+)マクロファージが腹膜腔に出現し、これが PM の発症に関与している可能性がある。また、腹腔内化学療法後には好酸球が増加しこれが治療の奏功に関与している可能性があると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

腹膜播種の存在によって腹腔内の免疫微小環境が大きく変化すること、特にマクロファージの質と量が変化することが確認できた。また、腹腔内化学療法後に好酸球が増加し、治療効果と関連する可能性があることも新たに検出できた。

今後の研究の推進方策

腹腔内化学療法後の腹腔内に誘導される好酸球の性質を表現型やmRNAの発現について検討し、治療の奏功性との関連性を探る。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 特集 進行消化器癌に対するconversion surgeryのすべて II. 各論 2. 胃 2)胃癌腹膜播種に対する外科治療戦略2023

    • 著者名/発表者名
      倉科 憲太郎、北山 丈二、山口 博紀、齋藤 心、大澤 英之、金丸 理人、高橋 和也、金子 勇貴、細谷 好則、佐田 尚宏
    • 雑誌名

      外科

      巻: 85 号: 13 ページ: 1394-1400

    • DOI

      10.15106/j_geka85_1394

    • ISSN
      0016-593X, 2432-9428
    • 年月日
      2023-12-01
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 胃癌腹膜播種患者における腹腔内免疫細胞の解析2024

    • 著者名/発表者名
      松宮 美沙希, 高橋 礼, 金子 勇貴, 風當 ゆりえ, 髙橋 和也, 松本 志郎, 宮戸 秀世, 倉科 憲太郎, 齋藤 心, 大澤 英之, 山口 博紀, 細谷 好則, 佐田 尚宏,北山 丈二.
    • 学会等名
      第96回日本胃癌学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Flow cytometric analysis of intraperitoneal tumor and immune cells of the gastric cancer patients2023

    • 著者名/発表者名
      Kazuya Takahashi, Hideyuki Ohzawa, Rihito Kanamaru, Shiro Matsumoto, Kentaro Kurashina, Shin Saito, Hironori Yamaguchi, Yoshinori Hosoya, Naohiro Sata,Joji Kitayama.
    • 学会等名
      Advanced Caner Therapies 2023 (SSO)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 胃癌腹膜播種に対する腹腔内化学療法における腹腔内好酸球の意義2023

    • 著者名/発表者名
      髙橋 和也, 松宮 美沙希, 金子 勇貴, 山口 博紀, 倉科 憲太郎, 松本 志郎, 齋藤 心, 細谷 好則, 佐田 尚宏,北山 丈二.
    • 学会等名
      第61回日本癌治療学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Intraperitoneal immune microenvironment in patients with peritoneal metastasis in gastric cancer 胃癌腹膜播種における腹腔内免疫環境について2023

    • 著者名/発表者名
      髙橋 和也, 大澤 英之, 金丸 理人, 松本 志郎, 倉科 憲太郎, 齋藤 心, 山口 博紀, 細谷 好則, 佐田 尚宏,北山 丈二.
    • 学会等名
      第95回日本胃癌学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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