研究課題/領域番号 |
23K08140
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
衣笠 哲史 久留米大学, 医学部, 客員教授 (90279266)
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研究分担者 |
溝口 恵美子 久留米大学, 医学部, 教授 (40782157)
主藤 朝也 久留米大学, 医学部, 准教授 (50309803)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 潰瘍性大腸炎 / 癌化 / マイクロアレイ解析 / CEACAM family |
研究開始時の研究の概要 |
複数の癌合併潰瘍性大腸炎(UC)の切除標本由来のcDNAマイクロアレイ解析で、接着性侵入性大腸菌(AIEC)に関与するCEACAM6、Chitinase 3-like1、Claudin 2 の遺伝子とColitis-Associated Cancer (CAC)の関連性を世界で初めて報告した。特記すべきことに、この研究結果から新たにMucin5AC (MUC5AC) 、 CEACAM7、dual oxicase2 (DUOX2)の3遺伝子がCAC特異的に発現している可能性が強く示唆された。これら3遺伝子がCAC発生機序においてどのような役割を果たしているのかを解明する。
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研究実績の概要 |
近年、申請者らは複数の癌合併潰瘍性大腸炎(UC)患者の正常部、炎症部、癌部の切除標本由来のcDNAマイクロアレイ解析で、接着性侵入性大腸菌(Adherent Invasive E. coli: AIEC)に関与するCarcinoembryonic Antigen Related Cell Adhesion Molecule 6 (CEACAM6)、Chitinase 3-like1(CHI3L1)、Claudin 2 (CLND2)の遺伝子とColitis-Associated Cancer (CAC)の関連性を世界で初めて報告した 。特記すべきことに、この研究結果から新たにMucin5AC (MUC5AC)、 CEACAM7、dual oxicase2 (DUOX2)の3遺伝子がCAC特異的に発現している可能性が強く示唆された。これらの遺伝子の蛋白質レベルでの発現は大腸上皮の管腔側に強く認められることから、大腸粘膜の胃粘膜様化生や慢性炎症環境下での腸内細菌フローラとの相互作用を介してCAC発症に特異的に関与している可能性も予想される。そこで、本研究ではこれら3遺伝子がCAC発生機序においてどのような役割を果たしているのかを解明することで革新的な診断・治療法に役立つための基盤を確立することを目的としている。 久留米大学 医に関する倫理委員会に臨床研究実施許可を得るために「非特定臨床研究 倫理委員会申請書」を作成開始し、同年10月31日に臨床研究実施許可通知書を受理した。本研究は多施設共同研究(個別審査)のため、2024年3月までに各施設の倫理委員会の承認を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究はColitis-Associated Cancer患者の正常部、炎症部、癌部の切除標本を使用する。そのため研究を開始するにあたり、2023年6月から久留米大学 医に関する倫理委員会に臨床研究実施許可を得るために「非特定臨床研究 倫理委員会申請書」を作成開始し、同年10月31日に臨床研究実施許可通知書(研究名称:潰瘍性大腸炎における大腸癌発生に関連する特異的因子の解析と臨床応用:研究番号 23145)を受理した。本研究は多施設共同研究(個別審査)であったため、各施設の倫理委員会の承認を得ることに時間を要したため、現在までの進捗状況としてはやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
久留米大学を中心とした研究体制は充実しており、現在まで6症例のサンプルを得ることができた。今後症例の蓄積を継続していく。衣笠は、これらの症例の切除標本を用いて、Mucin5AC (MUC5AC)、CEACAM7、dual oxicase2 (DUOX2)の3遺伝子が上記3因子の発現の再現性を確認する。同時に、宿主側因子であるEMTのマーカーであるビメンチン、フィブロネクチンなど免疫組織化学染色を用いてCACとの関連性を検討する。また、腸内細菌フローラとの関連性を検討するためLipopolysaccharide (LPS)など腸内細菌関連因子の染色も行なっていく。溝口らは、CHI3L1が他のタンパク質とどのように結合しているかの解析をin vitroの系を中心に既に行っているので、MUC5AC・CEACAM7・DUOX2が実際にCHI3L1と結合しているのか、もし結合していればCHI3L1どの部位で特異的に結合しているのかを同定していく予定である。主藤らは、CACの切除標本からのDNA抽出を行い抽出したDNAを用い次世代シークエンサーを用いたTCRのCDR3シークエンスを行う。
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