研究課題/領域番号 |
23K08151
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
赤井 俊也 浜松医科大学, 医学部附属病院, 診療助教 (00938756)
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研究分担者 |
倉地 清隆 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (20397384)
阪田 麻裕 浜松医科大学, 医学部, 助教 (50709201)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | トッカーレ / 腸管血流評価 / 機能検査オキシメータ / 虚血性腸疾患 / 組織酸素飽和度 / 縫合不全 |
研究開始時の研究の概要 |
縫合不全は腸管吻合を伴う消化器外科手術後に起こり得る重篤な合併症の一つである。低侵襲手術の進んだ現代においても下部直腸腫瘍手術後の縫合不全は約10%に発症し、消化器外科医が解決すべき重大な課題である。術中腸管血流評価法としてIndocyanine green(ICG)蛍光造影検査が一般的であるが反復測定や定量的評価は困難である。本研究の目的は、機能検査オキシメータ「トッカーレ」が、下部消化管術中腸管血流評価として非侵襲かつ複数回の定量的評価が可能であることを示し、ICG蛍光造影検査に代わる新たな腸管血流評価方法として臨床応用を目標とする。
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研究実績の概要 |
初年度の目標としては,①ヒト腸管のrSO2を集積し,ヒト腸管におけるrSO2を算出すること,②腸管切除を伴う手術を受ける患者さんを対象に、確実に虚血の状態である摘出腸管のrSO2とT-HbIをトッカーレ®を用いて経時的(摘出直後を含め、5分間毎に計7回)に測定し,ラットの既報で示したものと同様にして,ヒト腸管においてもrSO2を用いた腸管血流評価が可能であることを示すこと,③実際に絞扼性腸閉塞などの虚血性腸疾患手術におけるICGとrSO2の相関を確認することを目標とした.①に関しては57例を測定し、rSO2の平均値±2SDは、54±10%と,皮膚などで報告されている正常値と同様の範囲であった.②に関しては,19例を解析し,経時的に有意なrSO2低下を示しており,血流低下をrSO2で評価することが可能であることが示唆され,今後40例を目標にさらなる症例集積を行う.③に関しては,壊死腸管を含むような虚血性腸疾患症例が極端に少なく,症例の集積が進まない状態であった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当院では虚血性腸疾患手術は30例/年程度の実績があり,今年度も同等の症例数を見込んでいたが,例年より少なく,また,壊死を伴う(腸管切除が必要であった)症例がほとんどない状態であり,研究計画とした腸管のviabilityの有無を評価するために必要な壊死部のサンプルを収集できなかった.
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今後の研究の推進方策 |
今後も研究計画に沿った絞扼性腸閉塞のサンプル収集に努めたい.また,虚血性腸疾患手術は夜間緊急手術であることもあり,研究分担者以外に対しても,研究計画の概要,機器の使用方法や測定方法などを周知し,研究をすすることが出来るような体制を考える. 下部消化管吻合時における吻合先端腸管の血流評価(吻合腸管部分の口側肛門側の計測を吻合前および吻合後に計測)も研究計画の一つであるため並行して進めていきたい。腸管切除吻合を伴う手術症例は,年間150例を安定して確保可能である.
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