研究課題/領域番号 |
23K08154
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
外山 博近 神戸大学, 肝胆膵外科, 准教授 (10444598)
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研究分担者 |
後藤 直大 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (40580684)
福本 巧 神戸大学, 医学研究科, 教授 (70379402)
石田 潤 神戸大学, 医学部附属病院, 特定助教 (70648617)
南野 佳英 神戸大学, 医学部附属病院, 特定助教 (70714666)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 膵切除 / アミノ酸 / 脂肪肝 / 質量分析 |
研究開始時の研究の概要 |
膵切除術後には、多くの患者に栄養障害が発症し、20-40%に低栄養性の脂肪肝を発症する。栄養状態の悪化は生活の質の著しい低下を招くだけでなく、癌の患者においてはその後の治療の妨げとなり、予後にも影響する。膵機能の低下や消化管切除による消化吸収障害が一因と考えられるが、その病態は明らかではない。我々は、膵切除前後の血中アミノ酸(20種)について解析し、膵切除後のアミノ酸代謝の変化と栄養状態、脂肪肝の発症の関連を解析し、栄養障害や脂肪肝の病態とその発症機序を解明する。またこれらの知見をもとに、術後の栄養障害を予防する新たな栄養療法の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、膵切除前後におけるアミノ酸プロファイルの変化の解析、膵切除後脂肪肝と栄養障害およびアミノ酸代謝の変化の関係の解析、これらの知見をもとにした膵切除における新たな栄養療法開発を目的としている。解析対象として術前および術後3ヶ月の血液サンプルを収集する必要があるが、目標サンプル数150例に対し、現在約70例のサンプル収集が終了している。そのうち40例程度では、質量分析計にてアミノ酸を網羅的に解析しており、データを収集している。データ数が少ないため今のところ詳細な結果は出ていないが、膵切除における周術期の栄養状態について解析し、術前術後の低栄養、特にプレアルブミンの低下が短期のみならず長期成績や予後にも悪影響を及ぼすことを明らかにし、JDDW2023ワークショップにて報告した。今後約1年で150例のサンプル収集が終了しする予定で、並行してアミノ酸解析を進める予定である。また、現在膵切除後の脂肪肝について臨床例の解析を進めている。膵切除後のおよそ30%程度に脂肪肝の発生を認めており、現在脂肪肝と膵切除後栄養障害、必須脂肪酸代謝の変化について解析を進めている。その結果、膵切除後の脂肪肝発生には低栄養状態、特に必須アミノ酸の低下の関連が示唆されるデータを得ており、引き続き臨床データを収集し、脂肪肝発生と栄養障害、特に脂質代謝とアミノ酸代謝の関係を解析する予定である。新たな栄養療法の開発についてはまだ十分な根拠がなく、今後栄養やアミノ酸代謝の解析をもとに開発を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
まだ解析結果は出ていないが、サンプル収集、アミノ酸測定とも概ね順調に進んでいる。今後約1年で150例のサンプル収集が終了しする予定で、並行してアミノ酸解析を進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き血液サンプルの収集とアミノ酸の網羅的測定とデータ収集を行う。また、膵切除後の脂肪肝症例の臨床データの収集およびアミノ酸解析を行う。また、その解析結果をもとに新たな膵切除後栄養療法の開発を目標とする。
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