研究課題/領域番号 |
23K08155
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
浜井 洋一 広島大学, 病院(医), 講師 (90423384)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 食道癌 / Small RNA / miRNA / 化学療法 / 治療効果予測 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は術前治療後に手術を施行した食道癌患者の術前血中エクソソーム内のsmall ribonucleic acid (RNA)を網羅的に解析し、pCRとnon-pCR症例で有意に発現が異なる新規small RNAを同定した。これらにはmicroRNA(miRNA)のみならずisoforms of miRNA(isomiR)やtransfer RNA断片(tRNA fragment: tRF)が多数含まれていた。本研究では、miRNAとともにisomiRとtRFを用いた治療効果予測を確立する。さらにsmall RNAが癌の悪性化や治療耐性といかに関わっているか、新たな癌の分子機構を解明し、分子マーカーとしての有用性と治療標的としての可能性を評価する。
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研究実績の概要 |
切除可能進行食道癌には術前の化学療法や化学放射線療法と手術による集学的治療がなされるが、病理学的完全奏効 (pathological complete response: pCR) となる症例がある。我々は、術前治療後に手術を施行した食道癌患者の術前血中エクソソーム内の small ribonucleic acid (RNA) を網羅的に解析し、pCR と non-pCR 症例で有意に発現が異なる新規 small RNA を同定した。これらには microRNA (miRNA) のみならず、その類似体である isoforms of miRNA (isomiR) や transfer RNA の断片 (tRNA fragment: tRF) が多数含まれ、症例ごとに発現の違いを認めた。 本研究では、術前治療前後の血中 small RNA を用いて術前の pCR 予測式を作成し、その有用性を検証する。また食道癌細胞株において新規癌関連 small RNA の機能を解明することを目的としている。 2023年度は以下の通り研究を進めた。 ①食道癌 pCR、non-pCR 症例における術前患者血清での small RNA の発現比較、②pCR予測のための候補 miRNA, isomiR, tRF の抽出、③生検、切除検体での候補 miRNA, isomiR, tRF の発現確認、臨床病理学的因子との比較、④pCR予測式の作成 現在、治療前の臨床的因子と新規に同定したsmall RNAを組み合わせることにより、高精度のpCR予測式を作成しており、この式から算出した値が予後とも相関があることを確認している。今後、特定された癌特異的 miRNA、isomiR、tRFの高発現および低発現細胞株を使用し、新規isomiRやtRFの機能解析を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで食道癌 pCR、non-pCR 症例における術前患者血清での small RNA の発現を比較し、pCR予測のための候補 miRNA, isomiR, tRF の抽出を行った。また食道癌細胞株や腫瘍組織での候補 miRNA, isomiR, tRF の発現確認、臨床病理学的因子との比較を行い、pCR予測式の作成は終了している。このため進捗状況としてはおおむね予定通りである。
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今後の研究の推進方策 |
今後、特定されたmiRNA、isomiR、tRFについて癌特異的な機能解析を行う。特定された癌特異的 miRNA、isomiR、tRFの高発現および低発現細胞株を使用する。またこれらのsmall RNAを食道癌細胞株に導入し発現を上昇させる。またRNAインヒビターにより発現抑制細胞株も作製し使用する。これらの食道癌細胞株も用いて、以下の通り機能解析を行う。 1.種々の抗癌剤の感受性についてMTT assay にて比較検討する。2.薬剤感受性については、複数の薬剤に対する耐性細胞株も作製し、候補 small RNA発現の変化を解析する。3.Cell invasion assay, Cell migration assayにて細胞浸潤・遊走能について比較検討する。4.Small RNAのターゲット分子を予測し、ターゲット分子の上・下流の遺伝子と蛋白質発現の変化を解析する。5.Small RNAに相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドによる癌細胞機能(増殖・浸潤・遊走能、薬剤感受性とともにアポトーシス)の変化を解析する。 以上より、miRNAとともにisomiRとtRFを用いた治療効果(pCR)予測を確立し、さらに、新規small RNAが癌の悪性化や治療耐性といかに関わっているか、新たな癌の分子機構を解明し、分子マーカーとしての有用性と核酸医薬の治療標的としての可能性を評価する予定である。
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