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治療抵抗性膵癌のがん幹細胞性とがん関連性線維芽細胞老化を統御する分子経路の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K08163
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分55020:消化器外科学関連
研究機関金沢大学

研究代表者

宮下 知治  金沢大学, がん進展制御研究所, 研究協力員 (30397210)

研究分担者 高村 博之  金沢医科大学, 医学部, 教授 (40377396)
源 利成  金沢大学, がん進展制御研究所, 教授 (50239323)
島崎 猛夫  金沢医科大学, 総合医学研究所, 准教授 (50377420)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード膵癌 / がん関連線維芽細胞 / 治療抵抗性 / 細胞老化 / がん微小環境 / GSK 3β / がん幹細胞
研究開始時の研究の概要

現行のがん治療に抗するがん幹細胞性と、がん微小環境の主体をなすがん関連線維芽細胞(cancer-associated fibroblasts: CAFs)の老化に伴い誘導されるSASP(senescence associated secretory phenotype)はがん治療抵抗性の元凶でありながら、これまでは個別の悪性形質として捉えられてきた。本研究では、膵がん難治性の主要因である抗がん剤耐性獲得において、がん幹細胞性と膵がん由来CAFsのSASPが連関し協働作用するかを、我々が先駆的に見いだしたGSK3βのがん促進作用に着目して明らかにする。

研究実績の概要

膵がん(浸潤性膵管癌)は治療抵抗性の難治性固形がんである。その原因として、がん幹細胞性とがん微小環境を構築するがん関連線維芽細胞(CAFs)の存在が注目されている。近年、IL-6/STAT3経路が細胞老化を誘導することが示され、CAFsの老化によるsenescence associated secretory phenotype(SASP)因子ががん細胞の悪性形質獲得や幹細胞化を促進することが推察されている。本研究では、膵がんのゲムシタビン(GEM)耐性獲得細胞を対象にがん幹細胞性を、ついで膵がん組織由来のCAFsのSASPを検討し、それら悪性形質の連関と協働作用についてGSK3βの観点から解明し、本酵素を標的としてがん悪性形質の連関を解除することが難治性膵がんの新たな治療戦略になる得るのかを検討することを目的として実験を計画した。1年目である当該年度にはヒト膵癌切除標本を用いて蛍光免疫染色を施行し、膵癌微小環境において老化した腫瘍関連線維芽細胞が存在するかどうかを検討した。腫瘍関連線維芽細胞のマーカーとしてはαSMAを用いた。まず膵癌間質内の腫瘍関連線維芽細胞と老化蛋白との関連を検討すると、老化蛋白(p16)を発現する腫瘍関連線維芽細胞(αSMA)が散見された。次に腫瘍関連線維芽細胞における老化蛋白とSASP因子の発現との関連を検討すると、腫瘍関連線維芽細胞において老化蛋白(p16)およびSASP因子(IL-6)の発現が散見された。これらの現象を膵癌の腺管から離れた間質領域において、1視野あたりのp16およびIL-6陽性間質細胞数を計測すると、膵癌間質におけるp16とIL-6の発現には正の相関関係が認められた。以上のことから、膵癌の間質内にはSASP因子を発現する老化腫瘍関連線維芽細胞が存在すると考えられた。今後は放射線照射によるDNAダメージにて、樹立した膵線維芽細胞に細胞老化が誘導されるかどうかを検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1年目である当該年度は計画したヒト膵癌切除標本を用いて蛍光免疫染色を施行した。

今後の研究の推進方策

以前に膵切除検体から樹立した膵線維芽細胞を用いて、放射線照射によるDNAダメージにて細胞老化が誘導されるかどうかを検討する。さらに細胞老化が誘導された膵線維芽細胞を用いて老化蛋白とSASP因子の発現を評価する予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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