研究課題/領域番号 |
23K08194
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西塔 拓郎 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (20646468)
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研究分担者 |
黒川 幸典 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (10470197)
和田 尚 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任教授(常勤) (70243459)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 抗PD1抗体 / リンパ節 / Precursor T細胞 / 胃癌 / T細胞疲弊化 / 免疫チェックポイント分子 |
研究開始時の研究の概要 |
抗PD1抗体薬(ニボルマブ)の治療効果発揮には腫瘍における癌抗原特異的リンパ球の活性化が必須であるが、治療開始後にどの細胞群がこの働きを持ち、どこで増殖するかは明らかでない。我々は、ニボルマブ結合リンパ球の新規検出法として、IgG4検出法を確立した。そこで本研究では、IgG4検出法を用いて、胃癌・食道癌における抗PD1抗体治療後の腫瘍・リンパ節・血液中のニボルマブ結合リンパ球を同定し、FACS・TCR-seq・RNA-seqによる解析を用いて抗PD1抗体薬の治療効果発現機序の解明を目指す。さらにリンパ節でのT細胞再活性化に注目した治療標的因子の同定、新規治療法の開発を目標とする。
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研究実績の概要 |
抗PD1抗体薬(ニボルマブ)の治療効果発揮には腫瘍における癌抗原特異的リンパ球の活性化が必須であるが、治療開始後にどの細胞群がこの働きを持ち、どこで増殖するかは明らかでない。我々は、ニボルマブ結合リンパ球の新規検出法として、IgG4検出法を確立した。そこで本研究 では、IgG4検出法を用いて、胃癌・食道癌における抗PD1抗体治療後の腫瘍・リンパ節・血液中のニボルマブ結合リンパ球を同定し、FACS・TCR -seq・RNA-seqによる解析を用いて抗PD1抗体薬の治療効果発現機序の解明を目指す。さらにリンパ節でのT細胞再活性化に注目した治療標的因子の同定、新規治療法の開発を目標とする。 本研究では、① ICI治療後の胃癌・食道癌摘出標本における腫瘍・リンパ節 ・血液中のニボルマブ結合リンパ球の同定、②各組織におけるニボルマブ結合細胞と非結合細胞を用いた細胞表面・細胞内タンパク発現を比較解析、③ TCR-seqによるTCR解析とRNA-seqによる遺伝子発現解析の混合解析、④ In-vitro, in-vivoによる新規治療標的に対する治療薬の治療効果検証、を予定する。 今回の検討では、まず抗PD1抗体未治療と抗PD1抗体治療後の胃癌・食道癌摘出標本において、腫瘍・リンパ節 ・血液の各組織よりリンパ球を抽出し、IgG4検出法を用いてニボルマブ結合PD1+ リンパ球の検出を行った。抗PD1抗体未治療では腫瘍39サンプル、リンパ節217サンプルからリンパ球を抽出し、近傍リンパ節においてPrecursor T細胞が豊富に存在し、これが予後に影響する事を発見した。さらに、抗PD1抗体治療後の胃癌・食道癌摘出標本において、5症例のサンプルを保存し、腫瘍・リンパ節においてもニボルマブ結合PD1+ リンパ球が検出されることを確認している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今回の研究対象である抗PD1抗体治療後の各組織のリンパ球解析の比較対象として、抗PD1抗体未治療の胃癌摘出標本における各組織のリンパ球詳細解析を完成させた。今後、抗PD1抗体治療後の各組織のリンパ球の細胞表面・細胞内タンパク発現を詳細解析に移行する。現在、プレリミナリーな実績として、リンパ節におけるPrecursor T細胞においては、抗PD1抗体治療後に著明なKi-67の上昇が認められており、抗PD1抗体治療後のリンパ節におけるPrecursor T細胞の著明な増殖能亢進が推測されている。また、消化器癌においては抗PD1抗体治療後の切除症例は年間それほど症例数は多くないが、適宜症例においては各臓器のサンプルを保存を行っている。scRNA-seq+TCR-seqの解析の準備も条件検討含め周到に準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、抗PD1抗体治療後の切除症例の各臓器のサンプリングを行っていく予定である。出来れば2024年にはICI治療後の各細胞におけるリンパ球の細胞表面・細胞内タンパク発現を詳細検討を完成させたい。また、scRNA-seq+TCR-seqの組織における解析をいつでも行える状況に設定し、適切なサンプルがあればこれの研究を遂行したい。
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