研究課題/領域番号 |
23K08215
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
細田 清孝 九州大学, 大学病院, 特別研究員 (00898033)
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研究分担者 |
高橋 数冴 東京大学, 医科学研究所, 助教 (00909385)
戸島 剛男 九州大学, 大学病院, 講師 (40608965)
三森 功士 九州大学, 大学病院, 教授 (50322748)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 膵癌微小環境 / がん代謝 / ミトコンドリア / pancreatic cancer / microenviroment / metabolism / spatial transcriptome |
研究開始時の研究の概要 |
一般に細胞生存にはエネルギー産生にむけた代謝機構が必須で、がん細胞も生理的な代謝機構に変異を加えており、がん代謝は生存へのエネルギー産生のみならずその代謝産物ががん微小環境において免疫寛容を誘導することも知られている。マルチターゲットながん治療標的としても重要であると考えられるが、臨床症例のがん微小環境のなかで周囲細胞とクロストークして悪性度を獲得するがん細胞を解析した報告はない。 本研究においてわれわれは膵がん微小環境における腫瘍免疫応答に関係するがん代謝機構について、空間情報を伴う遺伝子発現プロファイルならびに一細胞レベルでのトランスクリプトーム情報の統合解析を行い、治療標的の同定を目指す。
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研究実績の概要 |
まず、がん細胞における代謝機構に重要と考えられるミトコンドリアについて解析を行うこととした。近年がん細胞と微小環境を構成する細胞はトンネルナノチューブを介してミトコンドリアのやりとり(ミトコンドリアトランスファー)をしていることが乳癌や膠芽腫などで明らかにされつつあるが、膵癌微小環境でのミトコンドリアトランスファーに関する詳細は明らかになっていないため、膵癌微小環境でのミトコンドリアトランスファーに着目した。膵癌微小環境でのミトコンドリアトランスファーは現時点では臨床検体のシークエンスデータから確認することは困難であるので、まずMitoTracker Red CMXRosおよびMitoTracker Green FMを用いてin vitroで膵癌微小環境でのミトコンドリアトランスファーについて膵癌細胞株(Panc-1、PK-1、MIA PaCa-2)と線維芽細胞(KMST-6)を用いて確認した。KMST-6からPanc-1、PK-1、MIA PaCa-2の3細胞株それぞれにミトコンドリアがほぼ一方向性に移動していることが確認された。またKMST-6から単離したミトコンドリアをPanc-1、PK-1、MIA PaCa-2の3細胞株に導入(ミトセプション)を行い、通常細胞株とROS産生について検討したところ、ミトセプションを行った細胞株でROS産生が増加していることが確認された。上記の結果ががん代謝にどのような影響を与えるのか細胞株のRNAシークエンスならびに臨床検体を用いたシークエンスを行い確認する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定した研究については、立案後に複数の研究結果が報告されたため、がん代謝に深く関与する膵癌微小環境でのミトコンドリアトランスファーに着目することにした。膵癌微小環境でのミトコンドリアトランスファーは現時点では臨床検体を使用したシークエンスデータから得ることは困難であるため、まずin vitroの実験を行い、その後その結果を鑑みてシークエンスを提出することとしたため。
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今後の研究の推進方策 |
線維芽細胞KMST-6から単離したミトコンドリアを導入(ミトセプション)した膵癌細胞(Panc-1、PK-1、MIA PaCa-2)の3細胞株のRNAシークエンスを行い、その結果を踏まえて臨床検体を用いたシークエンスへの提出、解析を行う予定である。
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