研究課題/領域番号 |
23K08220
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
吉富 秀幸 獨協医科大学, 医学部, 教授 (60375631)
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研究分担者 |
田島 秀浩 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (00436825)
伴 慎一 獨協医科大学, 医学部, 教授 (30265409)
奥山 隆 獨協医科大学, 医学部, 教授 (70316610)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 膵臓癌 / 癌間質 / 近赤外線 / OSNA法 / 膵癌 / 近赤外線イメージング / リンパ節転移 / 腹膜播種 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、近赤外線イメージングと分子生物学的手法により個々の膵癌症例で最適な治癒切除率の高い術式を決定する方法を確立することである。加えて、そのイメージング、遺伝子検索から癌の生物学的特性を把握して、腫瘍特性に合わせた最適な治療法を選択する手法を確立することである。 近赤外線の、可視光では判別不能な物質の違いを判別できる特性を利用し、癌の膵神経叢浸潤、リンパ行性進展の可視化を病理学的手法との対比により確立する。また、OSNA法といった分子生物学的手法と組み合わせることでon timeで腹膜播種や血行性転移を診断し、より緻密な個々の症例にあわせた外科術式、集学的治療法の選択方法を開発する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、近赤外線イメージング、OSNA法といった最新の技術を用いて個々の膵癌症例で詳細な癌進展の評価を行い、最適な治癒切除率の高い術式を決定する方法を確立することである。特に、癌のリンパ節転移をこれまでの触感に頼っていた術中診断に委ねるのではなく、前述の新しい手法にて可能な限り術中に判断し、過不足のない郭清を行い個々の患者さんにとって最も最適で、侵襲も少ない手術法を決定出来る方法を開発することにある。 これまで、近赤外線を用いて、約10症例の膵癌手術例において近赤外線イメージを撮像した。肉眼的には同定困難と思われる小リンパ節を同定可能であった。ただ、転移の有無について画像的に完全に分別するには現在までは至っていない。また、手術中の洗浄腹水を採取し、収集している。今後、これらのサンプルを使用し、OSNA法による検査が可能かどうか、判断していく予定である。現在のところ、まずは病理学的に癌細胞陽性と考えられる腹水サンプルを使用して、検査条件の設定を行っている。加えて、膵癌標本の凍結切片の採取を行い、網羅的な遺伝子解析なども行う予定である。 我々の施設の特徴として重粒子線治療後に外科切除を行う症例が多い点が上げられる。術前に重粒子線による局所の効果を期待してより治癒切除率を上げられる可能性を本年は学会などで発表を行った。これらの切除標本における全割標本を現在、イメージスキャンを行い、特に腫瘍間質における変化を検討した。今後、これらのサンプルにおける免疫関連細胞、線維組織の発現を観察し、重粒子線による効果を単に腫瘍細胞の変化では無く、腫瘤内の微小環境の変化も含めて観察していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度は多くは膵癌切除症例における近赤外線イメージの収集、資料収集に時間を費やした。そのため、十分な解析までは至っていない。近赤外線イメージの解析では小リンパ節の発見にはつながるものの、転移の有無の解析までは至っていない。そのため、今後も解析を続ける。また、腫瘍、腹水のOSNA法の利用についても資料集めが中心となっている。幾つかのサンプルにて現在、解析条件決めを行っているところである。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は近赤外線イメージと病理像の比較を進めていく。この際、カメラの改造、至適な周波数の条件決めをより細かく行い、良悪性の判断にも生かせるようにしていく。 OSNA法についても条件が決まり次第、サンプルの解析を急ぐ。そして、細胞診の審査結果と比較を行う。また、臨床病理学的な経過とも比較し、本検査法の有用性を改名していく予定である。
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