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64Cu-ATSMにより標的選定したレドックス関連分子から探る大動脈瘤発生機序

研究課題

研究課題/領域番号 23K08228
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分55030:心臓血管外科学関連
研究機関福井大学

研究代表者

田邉 佐和香  福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 助教 (00401993)

研究分担者 辻川 哲也  福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (30380033)
福井 伸哉  福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (30469283)
今村 好章  福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 准教授 (40223341)
岡沢 秀彦  福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 教授 (50360813)
糟野 健司  福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (60455243)
高森 督  福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (80397273)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード酸化ストレス / 動脈瘤 / 64Cu-ATSM / 大動脈瘤 / レドックス蛋白
研究開始時の研究の概要

近年、酸化ストレスに応答してシクロフィリンAが炎症性サイトカインの増幅を介して、マクロファージの浸潤とMMP-2の活性化により動脈瘤が発症することが示されたことから、本研究では酸化ストレスを起点として解明に挑む。手術前に酸化ストレス特異的核種64Cu-ATSMPETが集積した部位を正確に同定し、同部位を術中切離した大動脈壁で酸化ストレスに関連したレドックス制御因子と蛋白質分解酵素との関連を病理学的手法と分子生物学的手法の両面から因果関係を調べる。本研究は病理学的動脈硬化仮説と現在の分子生物学的蛋白質分解酵素仮説のあいだのギャップを埋め、大動脈瘤発生機序の新たな研究手法と治療標的を創出する。

研究実績の概要

大動脈瘤の発症には、酸化ストレスの関与とマトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)の関与が知られている。しかし、酸化ストレスとMMPの分子的な因果関係は不明な点が多い。細胞内を還元環境に維持するレドックス制御因子ヌクレオレドキシン(NRX)は定常状態ではNADPHからH+の供給を受け還元型として存在しているが、過度の酸化ストレス下では酸化型に変化する。NRXの酸化は、β-カテニンの安定化因子であるディシェベルド(Dvl)との解離を引き起こし、転写因子であるβ-カテニンを活性化し、MMPsの発現を促進する。大動脈瘤切除術予定症例に術前検査(64Cu-ATSMPET MRI)を行い、64Cu-ATSM集積部位を正確にマーキングして術中に瘤壁を切除し、摘出標本を分割して集積部位を同定した。これらの部位は粥状硬化プラークが豊富で、酸化ストレスマーカー4HNEが陽性であった。64Cu-ATSM集積部位をさまざまな酸化ストレス関連因子で免疫染色を行ったところ、集積部では4HNE陽性粥状硬化プラークを取り囲むようにNRXが帯状に発現低下していた。NRXの発現低下部位に一致してβ-cateninが亢進しMMP-2、MMP-9が同部位に一致して亢進していた。同一切片上の二重染色にてNRX、β-catenin、MMP-2、MMP-9の発現を検討したところNRX、β-cateninは不一致(Pearson’s R=0.02)。β-cateninとMMP-2、MMP-9は共局在(Pearson’s R=0.79)していることがわかった。In vitroの実験では、ヒト血管平滑筋細胞において、H2O2が用量依存的にNRXの発現を低下させ、β-cateninの発現を上昇させることが示された。さらにNRXをノックダウンすると、Dvl、β-catenin、MMP-2、MMP-7、MMP-9が増加した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

Apolipoprotein E (ApoE)-/-ノックアウトマウスにAngiotensin II持続注入ポンプを埋め込んで大動脈瘤を誘発するモ デルを作成する予定であったが、マウスに感染症が発生し全て犠牲死させ実験室を一度閉鎖せざるを得なかった。新たな実験室を用意してApoEノックアウトマウスを購入し直し、交配して増やしたのちAngiotensin II持続注入ポンプを埋め込んで大動脈瘤を誘発している段階である。

今後の研究の推進方策

Apolipoprotein E (ApoE)-/-ノックアウトマウスにAngiotensin II持続注入ポンプを埋め込んで大動脈瘤を誘発するモデルを作成する。ApoE-/-ノックアウトマウスにTXNを遺伝子導入したトランスジェニックマウスTg(TXN)を掛け合わせたApoE-/-Tg(TXN)F1マウスにも同様の操作を行い、TXN遺伝子導入によって大動脈瘤の形成が抑制されるか観察する。摘出した大動脈壁を病理学的及び粥状プラーク周辺部をレーザーマイクロダイセクションで切り出して分子生物学的に大動脈瘤の瘤径と大動脈壁の性状、ADAM17、MMP-2、MMP-7、MMP-9、OPG、OPNの発現を調べる。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 酸化ストレス特異的PET陽性ヒト大動脈瘤壁におけるレドックス依存的大動脈瘤発生機序2023

    • 著者名/発表者名
      田邉佐和香
    • 学会等名
      第76回日本胸部外科学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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