研究課題/領域番号 |
23K08232
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池田 義 京都大学, 医学研究科, 准教授 (40281092)
|
研究分担者 |
朝長 啓造 京都大学, 医生物学研究所, 教授 (10301920)
升本 英利 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 上級研究員 (70645754)
村田 梢 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (80884329)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | マイクロRNA / ドラッグデリバリーシステム |
研究開始時の研究の概要 |
近年、マイクロRNA(miRNA)が多くの生物学的プロセスにおいて重要な役割を果たし、様々な疾患の発症、病態進行にも深く関与していることが明らかとなってきた。心臓血管外科領域においてもmiRNAをターゲットにした治療的介入が期待されるが、そのためには安定したmiRNAのドラッグデリバリーシステム(DDS)が必要不可欠である。miBDVベクターはエピソーマル型RNAウイルスベクターで、新しいmiRNAのDDSとして臨床応用されることが期待し得る。本研究の成果は、心臓血管外科領域におけるmiRNAの有効性・安全性について新たな知見を与え、次世代の治療レジームの提唱へとつながることが期待される。
|
研究実績の概要 |
本研究では我々のもつヒト iPS細胞モデルおよび心疾患動物モデルに対し、miBDVベクターを用いて核内で持続的にmiRNAを発現させることの治療効果を評価し、心臓血管外科手術に伴う虚血再灌流障害に対するmiRNAの治療介入の可能を検証とするとともに、新規遺伝子治療ベクターという技術基盤を確立させることを目的とする。 本年度は虚血再灌流における心筋細胞死に関わるとされる転写因子であるEGR1に着目し、Egr1の発現を抑えることが塩基配列の相補性において期待されるmiRNA-124-3pを用いた実験を実施した。ヒトiPS細胞由来心筋細胞に低酸素培養を加えることで虚血再灌流を模した培養条件を確立し、その際にEgr1の発現上昇が起こることを確認した。RNA干渉によるEgr1の発現抑制により、心筋のアポトーシスが抑えられることを示した。さらに虚血再灌流によりアポトーシスを誘導したヒト心筋細胞に対してmiR-124-3pを投与することにより、Egr1の発現上昇の抑制と、それに伴う心筋細胞のアポトーシス抑制効果を確認した。この研究成果をAmerican Heart Association Scientific Sessions 2023にて発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヒト心筋細胞の虚血再灌流障害に関わる重要な転写因子としてのEgr1を同定し、さらに特定のmiRNAを用いたEgr1の発現抑制とアポトーシス抑制を確認することができた。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度の研究成果を受けて、次年度は①効率的なmiRNAの心筋細胞への導入に向けたドラッグデリバリーシステム(DDS)の構築、②確立したDDSの生体における検証のための動物モデルの構築および機能評価系の確立、③さらに効率的にアポトーシスを抑制しうる因子および相補的miRNAの同定、を行う。
|