研究課題/領域番号 |
23K08241
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
加藤 真理子 昭和大学, 医学部, 助教 (70973139)
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研究分担者 |
大山 伸雄 昭和大学, 医学部, 兼任講師 (30465223)
喜瀬 広亮 昭和大学, 医学部, 准教授 (40436879)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 非造影MRL / リンパ管障害 / 先天性心疾患 / 乳び胸水 / 乳び心嚢液 / 乳び胸 |
研究開始時の研究の概要 |
先天性心疾患に合併するリンパ管障害は重篤で難治性と言われれいる。その背景には、リンパ管の形態的、機能的な障害があると報告されている。一方で、先天性心疾患患者のリンパ管の形態や機能に関する詳細な情報は得られておらず、その病態のメカニズムは不明な点が多い。我々は、穿刺や造影剤使用の必要ない低侵襲で実用性の高い非造影リンパ管MRIを用いたリンパ管形態評価、病態把握に取り組んでいる。撮影方法を工夫し、胸管の走行、異常所見の描出が可能で、撮影プロトコルの確立を目指している。これにより、先天性心疾患に合併するリンパ管障害の病態,発症予測および治療成績の向上に寄与することが期待される。
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研究実績の概要 |
2020年8月から2024年1月に当院でリンパ管障害の精査を行った先天性心疾患患者の合計31人が対象となった。男性が14人(45%)で、全体のうち7人が染色体異常をもっていた。14人が単心室血行動態で17人が2心室血行動態であった。リンパ管障害の検査の適応は、乳び胸が3人(10%)、PLEが4人(13%)、皮膚リンパ漏が1人(3%)、乳び心嚢液が1人(3%)であった。リンパ管障害のリスク評価のために対象となったのが22人で、内9人がフォンタン血行動態、2人がリンパ管障害の既往がある患者、2人がその他(Noonan症候群:1人、右頚静脈閉鎖:1人)、9人が(Glenn手術を含む)開胸術前のリスク評価目的であった。検査モダリティ別では、23人がNC-MRLのみ、1人がシンチ検査のみ、7人がNC-MRLとシンチ検査の両者であった。非造影MRLを撮影したのは30人いた。30人中29人で胸管の走行が評価可能であった。また、胸管と鎖骨下静脈の接合部が確認できた症例は29例いた。7/29人が右静脈角(24%)で、21/29人(72%)で左静脈角が同定できた。1人は両側の静脈角が同定できた。29人中4人で胸管の拡張・蛇行を認めた。Abnormal lymphatic perfusionを15人に認めた。アルゴリズムに則ったリンパ管障害の結果が、治療方針決定に寄与したのは全体のうち10人であった。治療方針決定に寄与した8人中、3人にリンパ管インターベンションが施行された。リンパ管障害のリスク評価目的に検査を施行した22人. うち2人で治療方針に寄与した結果が得られた。1人は無名静脈に対する形成術を施行し、もう一人はフォローアップの方針決定に寄与した。22人中20人は治療方針への影響はなかったが、今後のフォローアップに有益なリンパ管の基本的な情報が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
検査目的に沿った内容で検査を進めることができている。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年から8年にかけ、同様の検査の実施を継続していく。結果に基づき、「非造影MRIよる先天性心疾患患者のリンパ管の形態評価に関する研究」としてまとめる。
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