研究課題/領域番号 |
23K08243
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
赤木 大輔 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (20464753)
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研究分担者 |
石原 聡一郎 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (00376443)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 内膜肥厚 / 炎症制御 / microRNA / ナノベクター / 炎症性腸疾患 / 核酸医薬 / ドラッグデリバリーシステム / 炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
血行再建術後内膜肥厚は炎症を基盤とし血管平滑筋細胞の遊走増殖を認める。近年炎症反応収束は能動的に起こることが明らかとなり、多くのmicroRNAが制御に関与している。これらのmicroRNAを核酸医薬として用いる治療システムが検討されている。生体適合性の高分子キャリアに核酸を内包したナノ粒子を用いmicroRNAを安定的効果的に血管傷害部にデリバリーするドラッグデリバーシステム(DDS)は有望で構築可能と考えられる。本研究では抗炎症核酸医薬となるmicroRNAを絞り込む。その上でナノ粒子物性評価とin vitro評価に立脚しin vivo動脈傷害モデルを用い実際的な治療システムの確立を行う。
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研究実績の概要 |
抗炎症作用、特に炎症の能動的収束が期待されるmicroRNAとして、文献的考察より、まずは、miR-146a、miR-155、miR-223に絞って検討を行うこととした。とくにmir146aはNF-kB経路の抑制による炎症抑制が他疾患にて報告されているため有望であるが、炎症を惹起した血管構成細胞においてはmiR223についても有用性が示唆されている。miR-155はマクロファージに主として発現しているが、組織修復を修飾する多機能性microRNAである。 miR-146a、miR-155、miR-223は化学的に合成することにより得た。 まずは、microRNAをキャリアのない状態で状態で標的細胞にトランスフェクションさせ、炎症に対する修飾効果を判定することとした。 具体的な方法として、TNF-alpha投与により炎症を惹起した血管平滑筋細胞において、microRNAを投与し炎症性サイトカインであるInterleukin(IL)-1beta, IL-6、ケモカインであるMCP-1(単球走化性促進因子;monocyte chemoattractant protein-1)の発現をRT-PCR法にて測定した。 結果、miR-146aにおいて、IL-1beta, MCP-1 , IL-6の発現抑制効果が大きく、また用量依存性であった。 炎症修飾効果においてmiR-146aがもっとも優れている可能性があると判断された。引きつづき、ほかのin vitroの検討を進めていくことで、治療効果が期待されるmicroRNAの絞り込みを進めていくが、miR-146aは特に有望と考えられる。特に、miR-146aをもとにさらなる検討進めていく方向でデータを収集していくこととなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
この治療システム構築において他の炎症性疾患(炎症性腸疾患など)に対するアプリケーションも考慮しており、核酸の選択に時間を要しているため
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今後の研究の推進方策 |
In vivoでの検討を念頭に、まずはin vitroのデータ取得を目指す。他の炎症性疾患にも応用可能性の検索も合わせて行う。
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