研究課題/領域番号 |
23K08244
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
藤田 知之 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (10457012)
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研究分担者 |
浅野 滋啓 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, オープンイノベーションセンター, 部長 (20835798)
甲斐沼 尚 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (40839073)
福嶌 五月 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (80596867)
福田 哲也 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (90443506)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 3D心臓モデル / 手術シミュレーション / 手術支援ロボット / 僧帽弁閉鎖不全症 / 僧帽弁形成術 / 3Dプリンター |
研究開始時の研究の概要 |
現在、3D心臓モデルをCTから作成し、そのモデルを用いたシミュレーションを行い、測定値を基に行う僧帽弁形成術を数値化された僧帽弁形成術と考える。CTから作成した3D心臓モデルを用い、症例の蓄積のうえ、条件の最適化を行い、モデル計測の正確性の検証を行う。解析後論文化、評価方法を標準治療法として学会に提案し、治療ガイドラインの改定を目指す。シミュレーションキットや教育ツールを目指す。
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研究実績の概要 |
CrossEffect/crossMedicalに依頼し、僧帽弁閉鎖不全症の術前患者の造影CTから作成した3D心臓モデルを作成した。ウレタン素材のモデルであり実物に似た弾力のモデルを試行錯誤の上作成した。同時に同患者の肋骨を含む胸郭モデルを作成した。 同モデルを手術支援ロボットda Vinci Xiを製造するIntuitive株式会社のトレーニング施設へ持ち込み手術シミュレーションを行った。胸郭モデルの中に3D心臓モデルを固定し、実際の手術と同じく、第4肋間からリトラクター、カメラポートを挿入、第3肋間から左手アームのポート、第6肋間から右手アームのポートを挿入し、実際の手術と同様の手順で僧帽弁形成術を行った。使用人工弁輪はメドトロニック社製のCGFuture bandを用いた。手術は予定通り施行可能であることを確認した。初期研修医を同行させ、手術トレーニングとして同じ手術手技を施行させた。映像を共有することによるロボットの教育効果と3D心臓モデルの教育における有用性を確認した。 同じく、同モデルを手術支援ロボットHinotoriを製造するMedicaroid社の展示施設に持ち込み同様の試験を行った。ここでも再現性を持って手術シミュレーションを行うことが可能であった。Hinotoriの場合、ロボットアームの動きを記憶し蓄積することができるので、手術支援ロボットの性能が向上した暁には教育効果が高いことが示唆された。 また、同モデルを手術支援ロボットSaroaを製造するRIVERFIELD社の本社に持ち込み同様の試験を行った。残念ながら心臓手術に耐えうる持針器の把持力ではなかったので手術を遂行することができなかった。 以上より、3D心臓モデルは手術シミュレーションでの有用性のみならず手術支援ロボットの性能評価という2次的な有用性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
手術支援ロボットを用いた手術シミュレーションを行う場の提供をいただくことに制限がある中、合計3回のシミュレーションを行うことができた。その中で重要な二つのことが実行・確認された。一つは3D心臓モデルは僧帽弁形成術のシミュレーションに十分資すると確認できた。時相の試行錯誤の中で心電図同期の中で収縮期末期のある一定の時相(収縮期75%;比較的末期)の僧帽弁(心臓)の画像を用いてモデルを作成することができた。逸脱が顕著となる時相が探索できた。また、モデルの硬度も適正なものを確認できた。また、乳頭筋や弁尖などの僧帽弁の繊細な構造が再現できており、手術シムレーションが可能でこの度の研究目的は達成可能であると考えられた。 もう一つは、録画された手術動画が術者目線であるためにシミュレーションと実際の手術の比較が可能であった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は3つの点で検討を加えていく。 1 異なる施設の異なるCT措置で得られた画像でも同様の3D心臓モデルが作成可能かを検証。具体的にはこれまでは国立循環器病研究センターのデータを用いた研究であったが、今後は東京医科歯科大学のデータを用いて3D心臓モデルを作成する。 2 各ロボットメーカーのトレーニング施設には使用限度があるので、通常の手術操作(MICSのシミュレーション装置などを用いる)での検証も同時に行う予定である。 3 シミュレーションを行うのは若手医師を含む複数の術者によるものとし、手術シミュレーションに資するものかを主観的(Likert Scale指標を用いる)・客観的(手術時間と修復の可否の判定)によって検証する。
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