研究課題/領域番号 |
23K08257
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
田村 忠士 佐賀大学, 医学部, 特任助教 (00564791)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 再生医療 / 心筋細胞 / 3次元培養 / 再生医工学 / 心臓血管外科学 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者はこれまでに、人工材料を用いることなく細胞だけで立体的な組織を構築することができる3Dバイオプリンタを用いて、生体に移植可能な血管や肝臓の組織体を構築してきた。ヒトiPS細胞由来心筋細胞を用いて拍動する立体の心筋組織を作製しているが、iPS細胞由来の心筋細胞は成人心筋細胞に比べて未成熟で機能的にも劣り、移植により不整脈を誘発する危険性が高い。本研究では、iPS細胞由来心筋細胞を3Dバイオプリンタにより立体組織を構築し、複合的な三次元的力学的負荷を加えるバイオリアクターにより心筋細胞の成熟を促し、安全性の高い移植可能な成熟心筋組織を、短期間で構築する方法の探索を行う。
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研究実績の概要 |
iPS細胞由来の心筋細胞は成人心筋細胞に比べて未成熟で機能的にも劣り、移植により不整脈を誘発する危険性が高い。本研究の目的は、3Dバイオプリンタにより構築された心筋立体組織に適切な負荷を施すことで、未成熟な心筋細胞の効率的に成熟を促し、安全性の高い移植可能な成熟心筋組織を短期間で構築する方法の探索を行うことにある。 昨年度は主に、立体細胞組織を培養するためのバイオリアクターの開発を行った。細胞が直接接触する培養器具はミクロン単位の微細構造を有する培養器具は従来、加工業者に外注依頼していたが、構造の複雑化に伴って加工費用や納期が増大することがネックとなっていた。これを生体適合性樹脂による光造形3Dプリンターを用いることで、培養器具の製造コストを低減し、試作品の作成が短期間で容易に行えるようになった。本年度は引き続き培養器具の最適化を行い、立体細胞組織への有効性について検証を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在のバイオ3Dプリンターによる立体細胞組織の構築方法が行われるようになったのはここ10年程度であり、技術的には日進月歩ではあるが未完成な点が多い。特に立体細胞組織を構築した後の3次元培養については発展途上な点があり、心筋細胞の培養方法の確立には多くの試行錯誤が必要となった。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度の光造形3Dプリンターによる細胞器具作成技術の開拓により、バイオリアクターの構築が容易となった。本年度も引き続きバイオリアクターの開発を行い、立体細胞組織への有効性を検証する。具体的にはチューブ状に構築された立体細胞組織は、従来であれば数週間で短縮、閉塞してしまうが、これに適切な力学的負荷を加えることにより形状の維持が可能となるため、心筋細胞の成熟に有効とされている長期培養が容易となる。
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