研究課題/領域番号 |
23K08273
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
蒲原 啓司 佐賀大学, 医学部, 教授 (70555086)
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研究分担者 |
伊藤 学 佐賀大学, 医学部, 講師 (50555084)
村田 大紀 佐賀大学, 医学部, 助教 (00772683)
中山 功一 佐賀大学, 医学部, 教授 (50420609)
野出 孝一 佐賀大学, 医学部, 教授 (80359950)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 組織工学 / バイオ3Dプリンタ / 人工弁膜 / 心臓弁膜症 / 再生医療 / 細胞製人工弁膜 / 人工弁 |
研究開始時の研究の概要 |
外在性の異物人工材料を用いて作製した現行の人工弁は、抗血栓性、抗感染性、生体適合性及び耐久性が劣る、成長しないなど課題が多く残されている。近年、iPS 細胞をはじめとした幹細胞研究や組織工学技術が発展する中で、人工材料を全く含まず、自己の細胞だけで任意の立体構造体を構築するバイオ3Dプリンタ技術を用いて、細胞製人工血管の研究、臨床開発に取り組んできたが、弁膜症外科分野への応用の可能性については未だ不明である。本研究では既存人工弁の多くの課題を凌駕するような理想的な細胞製人工弁膜を開発する。
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研究実績の概要 |
臨床使用される機械弁や異種生体弁などの外来異物を用いて作製した現行の人工弁は、抗血栓性、抗感染性、生体適合性、耐久性の面で未解決の課題が多く残されており、さらに、小児に適応できる小さな人工弁は未開発である。我々は接着系細胞が元来持つ自己凝集能力によって形成される細胞凝集塊(スフェロイド)を立体的に構築するバイオ3Dプリンタを用いた三次元細胞構造体の研究開発を行ってきた。本バイオ3Dプリンタ技術では、外在性のscaffoldを一切含まず、細胞と細胞が分泌する細胞外マトリックスのみから成る立体構造体を作ることが可能である。 当該年度には、ミニブタから採取した皮膚由来の線維芽細胞を用いて、本研究の基盤となる自己凝集能力によって形成されるスフェロイドを作製し、大量培養を行った。バイオ3Dプリンタを用いて管状構造体の組織構築を行い、その後、独自で開発したバイオリアクタで成熟した管状構造体を長軸に切開・トリミングすることで弁膜様構造体の作製に成功した。さらに、ハンドリングや外科的縫合操作が可能であることを確認した上で、まずは力学的負荷が比較的少ない低圧系であるミニブタの右心房への移植を試みた。全身麻酔下においてミニブタの胸骨正中切開を行い、単純遮断下に右心房壁の部分置換術に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
ミニブタ皮膚由来線維芽細胞をベースとした弁膜様構造体の作製に成功した。低圧系への移植であるがミニブタを用いた大動物実験にも成功しており、おおむね順調に経過していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き細胞製人工弁膜の開発を目的とした、スフェロイドの最適化、バイオ3Dプリンタを用いた組織構築法・バイオリアクタを用いた組織成熟方法の検証、改良を行い、ミニブタを用いた大動物実験を進める。心機能評価と共に移植前後の構造体の力学的評価、分子生物学的・病理組織学評価により弁膜様構造体のリモデリング効果を解析する。
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