研究課題/領域番号 |
23K08281
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
藤井 正大 日本医科大学, 医学部, 准教授 (60297926)
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研究分担者 |
丸山 雄二 日本医科大学, 医学部, 准教授 (50328837)
別所 竜蔵 日本医科大学, 医学部, 教授 (60281432)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | SGLT2阻害薬 / 心筋保護 / ランゲンドルフ灌流モデル |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病患者が増加している現状を鑑み術中心筋保護法の改良を目指して、慢性心不全に対する有効性が証明された糖尿病治療薬であるSGLT2阻害薬の可能性を検証する。実験系はランゲンドルフ装置を用いたラットもしくはマウスの摘出心による好気的灌流実験を行い、SGLT2阻害薬であるトホグリフロジンの全虚血に対する心筋保護効果を判定する。①至適投与濃度はあるか?②至適投与タイミングはいつか?③高K+心筋保護液の効果を増強するか?④事前内服投与は有効か?とする。評価項目は、心機能回復データの収集、生化学的心筋障害の定量、血管内皮機能の評価、酸化ストレスの判定、リアルタイムPCRによる発現遺伝子解析を用いる。
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研究実績の概要 |
糖尿病治療に用いられるSGLT2阻害薬は、慢性心不全に対しても有効で臨床使用されている。我々は術中心筋保護法の改良を目指し、SGLT2阻害薬に着目した。本研究ではトホグリフロジン(tofogliflozin)を取り上げ、急性期実験で心筋保護作用を有するか、慢性投薬による効果はどうかについてを検討する。実験系は、ランゲンドルフ装置とWistarラットの摘出心による灌流モデルを使用した。 興和㈱とトホグリフロジンに関するMTAを締結した。 本年度は、心筋保護効果を示すトホグリフロジンのDose-Response Curve作成を目的として、トホグリフロジン(TOF)の濃度を0.1μM、0.3μM、1.0μM、3.0μM、10μMと調整し、全虚血に対する左室回復率、トロポニンT(心筋障害)を測定した。 最終LVDP回復率は、Control群(TOFなし)18.9%、TOF0.1μM群27.4%、TOF0.3μM群32.0%、TOF1.0μM群32.3%、TOF3.0μM群31.5%、TOF10μM群31.8%であった。総トロポニンT流出量は、Control群(TOFなし)243ng/g、TOF0.1μM群175ng/g、TOF0.3μM群181ng/g、TOF1.0μM群59ng/g、TOF3.0μM群158ng/g、TOF10μM群162ng/gであった。 心機能回復率や心筋障害抑制の点で、コントロール群と比較しトホグリフロジン濃度1.0μMが、有意に心筋保護効果を有することが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
心筋保護効果を呈するトホグリフロジン濃度が1.0μMと判明し、次の課題である投与タイミングの検討実験を準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、全虚血に対するトホグリフロジンの至適投与タイミングを検討するため、以下のプロトコールを実施する。 平衡灌流、30分間の全虚血による心停止、60分間の再灌流を行う。トホグリフロジン (TOF)の投与タイミングは、pre-TOF群は全虚血前10分間、post-TOF群は再灌流中(60分間)、full-TOF群は全虚血前10分間および再灌流中(60分間)とする。トホグリフロジン濃度は1.0μMを用いる。
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