研究課題/領域番号 |
23K08288
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
大瀧 容一 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (00625402)
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研究分担者 |
横堀 武彦 群馬大学, 未来先端研究機構, 准教授 (60420098)
永島 宗晃 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (80649608)
川端 麗香 群馬大学, 未来先端研究機構, 講師 (90721928)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 小細胞肺癌 / FOXM1 / ATR / DNA損傷応答 |
研究開始時の研究の概要 |
SCLC細胞株におけるin vitro assayによる阻害剤併用効果の検討を行う。SCLC株とNSCLC株(コントロール)に対して、DDR阻害剤とFOXM1阻害剤(FDI-6、STL427944)の単剤および併用による抗腫瘍効果について、colony formation assay、MTS assayで評価する。 SCLCについては、転写因子サブタイプ別(ASCL1、NeuroD1、YAP1、POU2F3)で阻害効果に違いがあるか評価する。 感受性別で、治療前後での遺伝子発現の変化についてRNA-seqによる網羅的トランスクリプトーム解析で評価する。
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研究実績の概要 |
本研究は、SCLCにおいて新規治療薬として注目されているATRやChk1などのDNA損傷応答 (DNA damage response: DDR) 関連分子と申請者がこれまでに先行研究を行ってきた転写因子FOXM1(Forkhead box protein M1)の作用機序に着目して、DDRとFOXM1の阻害併用によるより有効なSCLCに対する新規治療法の確立とそのメカニズムの解明を目指すものである。 2023年度はSCLC細胞株におけるin vitro assayによる阻害剤併用効果の検討を行うことを予定していた。SCLC株とNSCLC株(コントロール)に対して、DDR阻害剤(ATR、Chk1の各阻害剤)についてMTS assayを行って評価をした。SCLC株については当初の予定通り、ASCL1、NeuroD1、YAP1の各サブタイプで解析を行った。CCK assayの結果では、SCLC株ではNSCLC株に比較し、DDR阻害剤による抗腫瘍効果(IC50)が有意に低いことがわかった。転写因子サブタイプ別では、ASCL1、NeuroD1などのサブタイプの細胞株のほうがIC50が低いという結果であった。 また、FOXM1阻害剤単剤での抗腫瘍効果についても評価を行った。 さらに当初2024年度に予定していたSCLC切除検体でのDDR関連分子およびFOXM1の発現評価を先に行った。SCLC切除検体については関連施設を含め約100例の症例を集積し、IHCを用いて発現の評価を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
SCLC株、NSCLC株ともDDR阻害剤、FOXM1阻害剤による抗腫瘍効果が明らかとなった。さらに2024年度に予定していたSCLC切除検体でのDDR関連タンパクの発現評価も行うことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後、FOXM1阻害剤の単剤およびATR阻害剤との併用による抗腫瘍効果について、MTS assay・CCK assayで評価を行い、併用効果について、まずはin vitro assayで評価を行う 。 さらに当初の予定通り、SCLC株の中で感受性が高かった株と低かった株、およびNSCLC株(低感受性)について、治療前後での遺伝子発現の変化についてRNA-seqによる網羅的トランスクリプトーム解析で評価し、IPA解析で阻害効果に影響を及ぼすpathwayについて比較を行う。併行して、DDR阻害剤・FOXM1阻害剤の長期曝露による耐性株の樹立を行い、親株と耐性株について同様にRNA-seqで評価を行い、耐性化のメカニズムについても解析し、in vivo assayにつなげていく。 さらにSCLC切除検体におけるDDR関連分子およびFOXM1発現については、その発現が予後に及ぼす影響や臨床病理学的因子との相関についても詳細に検討を行っていく。
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