研究課題
基盤研究(C)
本邦における肺移植では、長時間の臓器虚血状態が不可避であり、移植後に虚血再灌流障害による早期移植肺機能不全を生じる危険性が高い。長時間の虚血による酸化ストレスは、臓器中の樹状細胞の活性化を引き起こし、様々な炎症性サイトカインを分泌し、移植再灌流後にサイトカインストームを惹起する。そこで、炎症性サイトカインを制御する生物学的製剤を移植前の体外灌流保存(EVLP)中に投与することは、移植後の虚血再灌流障害を予防する可能性が示唆される。本研究は、ラットの肺移植モデルとEVLP装置を用い、EVLP中に投与する生物学的製剤の虚血再灌流障害に対する有効性を検討する。