研究課題/領域番号 |
23K08298
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中村 勝也 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (60585743)
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研究分担者 |
大西 秀哉 九州大学, 医学研究院, 准教授 (30553276)
大薗 慶吾 九州大学, 大学病院, 助教 (60912847)
緒方 久修 九州大学, 大学病院, 特任准教授 (70432945)
山崎 章生 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (80404440)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | MAML3 / Hedgehogシグナル / Notchシグナル / 非小細胞肺がん / 形態形成シグナル / 抗腫瘍効果 / 癌悪性形質 / 新規癌治療法開発 / 肺癌 / NOTCHシグナル / 癌治療法開発 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は研究を通じて、癌微小環境である低酸素環境でHhシグナルの起動蛋白であるSMOの転写活性が亢進し、癌悪性形質誘導に関与していることを見出した。続いて、小細胞肺癌 、膵癌においてNOTCHシグナルの転写共役因子であるMAML3がSMOの転写活性化亢進に関与することを見出した。即ち、SCLCにおいてMAML3はHh/NOTCH両シグナルを制御する新規治療標的となると考えられる。本研究では非小細胞肺癌においてMAML3-Hh/NOTCH新規経路を標的とした治療の可能性を検証し、包括的に形態形成シグナルを阻害し、SCLC/NSCLC共に有効な肺癌治療法開発を試みる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、増殖、遊走、浸潤、抗癌剤感受性、癌組織線維化に焦点をおき、MAML3-Hh/NOTCH新規経路がNSCLCの新規治療標的分子となり得るかを検証する、ことである。本年度は、肺線癌細胞株および頭頚部扁平上皮癌細胞株を用いて、NOTCHシグナル抑制により癌の形質変化が生じるかをまず検討した。NOTCHシグナルの阻害剤は、ガンマセクレターゼ阻害剤:DAPTを使用した。肺線癌細胞株での実験では、DAPTの使用により、再現実験を繰り返し行っても、増殖能・浸潤能・遊走能は有意に方向性をもって変化しなかった。一方で、頭頚部扁平上皮癌細胞株を用いた実験では、DAPTの使用により増殖能・浸潤能・遊走能は有意に抑制されることが分かった。即ち、NSCLCはNOTCHシグナルの影響を受けにくく、頭頚部扁平上皮癌はNOTCHシグナルが治療標的となり得る可能性が考えられた。我々の先の研究を含めた解析結果で、頭頚部扁平上皮癌においてNOTCHシグナルの上流にComplement 3 and pregnancy zone protein-like, α2-macroglobulin domain-containing 8 (CPAMD8)分子の関与する可能性を見出した。CPAMD8は最近見出された前眼部を形成する形態形成関連の遺伝子であり、形態形成関連遺伝子であるという意味で、形態形成シグナルである:NOTCHシグナルやHedgehogシグナルと関連する可能性が考えられる。今後はNSCLCより先にまず頭頚部扁平上皮癌においてCPAMD8の生物学的役割を解析し、新規治療標的となるか、NOTCHシグナルと関連するかを検証する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
NSCLCにおけるNOTCHシグナルの悪性形質誘導への関与が、なかなか明確にできず、何度も再現実験を繰り返したため、予定よりやや遅れることとなっている。
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今後の研究の推進方策 |
我々の先の研究を含めた解析結果で、頭頚部癌においてNOTCHシグナルの上流にComplement 3 and pregnancy zone protein-like, α2-macroglobulin domain-containing 8 (CPAMD8)分子の関与する可能性を見出した。CPAMD8は最近見出された前眼部を形成する形態形成関連の遺伝子であり、同じ形態形成関連分子であるという点で、形態形成シグナルである:NOTCHシグナルやHedgehogシグナルと関連する可能性が考えられる。今後はまず、頭頚部扁平上皮癌においてCPAMD8の生物学的役割を解析する予定としている。
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