研究課題/領域番号 |
23K08304
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
本野 望 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (30634901)
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研究分担者 |
浦本 秀隆 金沢医科大学, 医学部, 教授 (90389445)
山田 壮亮 金沢医科大学, 医学部, 教授 (90525453)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 肺癌 / 癌幹細胞 / SGLT2 / PRDX4 / スフィンゴリン脂質 / MMP / 幹細胞 / Hedghog / TSHZ2 |
研究開始時の研究の概要 |
TSHZ2,PRDX4 による Hedgehog シグナル伝達系の活性化に伴う肺癌の細胞増殖能の亢進,浸潤・転移能の獲得,複数の異なるパスウェイの統合に関わるスフェインゴリン脂質と幹細胞化の機序を解明することはこれまでの肺癌研究での報告はなく独創的であり,治療抵抗性の肺癌の治療成績を劇的に向上させる可能性がある.これらの分子や細胞内シグナル伝達経路に対する阻害薬は既に開発が進み商業ベースで入手可能であり,研究結果のヒトへの迅速なトランスレーションが期待できる。また,肺癌幹細胞における知見は,他臓器のがんに対する制御法の確立への応用へと発展することが期待される。
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研究実績の概要 |
癌の悪性化・増殖に伴い癌の糖代謝は亢進しており、SGLT(sodium glucose transporter :ナトリウム・グルコース共役輸送体)による能動的な糖の癌細胞への輸送の可能性が近年報告されている。また肝癌ではSGLT2阻害剤は代謝変化による増殖抑制効果とケモカインの変化による微小環境の変化による増殖抑制効果を持ち合わせる可能性が報告されている。今回、肺腺癌切除検体においてSGLT2の発現と臨床病理学的因子との関連、および先行研究で肺腺癌の予後因子として報告した抗酸化作用を有する酵素ペルオキシレドキシン 4(PRDX4: Int J Med Sci 2018;15:1025-1034.)やCancer inflammation prognostic index(CIPI: Lung 2023;201:603-610.)との関連を評価した。SGLT2発現は病理学的に悪性度が高い群(Ly(+):V(+):G3-4)や進行病期で有意に高く、CIPIと正の相関、PRDX4と負の相関を認めた。多変量解析で再発規定因子を評価したところ、年齢、喫煙指数、PRDX4に加えてSGLT2が有意な因子であった(Oncology 2024 doi:10.1159/0005360 60)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
SGLT2の研究に時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
癌幹細胞マーカーとされるALDH1やスフィンゴリン脂質の代謝過程で発生するマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の肺癌での発現を評価し、予後マーカーであるCIPIや病理学的因子、SGLT2およびPRDX4との関連を評価する。また、ALDH1やMMPのHedgehogシグナル伝達系への関与と癌細胞増殖および癌幹細胞化のメカニズムを解明することを目標とする。
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