研究課題/領域番号 |
23K08307
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立小児総合医療センター(臨床研究部) |
研究代表者 |
下島 直樹 地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立小児総合医療センター(臨床研究部), その他, 部長 (30317151)
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研究分担者 |
岩崎 智憲 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (10264433)
上田 公子 (山口公子) 徳島大学, 病院, 助教 (40335807)
前田 悠太郎 地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立小児総合医療センター(臨床研究部), その他, 医員 (40934287)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 先天性気管狭窄 / 気道狭窄 / 流体力学的解析 / 3Dモデル / 実物大臓器立体モデル / 手術支援 / 気管 / 先天性気管狭窄症 / スライド気管形成術 / 気道抵抗 |
研究開始時の研究の概要 |
先天性気管狭窄症は気管の一部が生まれつき狭いために気道閉塞症状を示す疾患である。これまで狭窄の程度を評価するのはCTによる形態学的な解析が主であり、気道全体としての気流の様子が評価されることは無かった。そこで本研究では本症を対象に、術前・術後で撮像されたCTから3D気管モデルを構築し、数値流体力学 (computational fluid dynamics, 以下CFD)の解析手法で従来には無かった病態評価を行い、得られたデータと臨床情報を対比させることで、術前の重症度判定と術後の治療効果判定におけるCFD解析の有用性を示し、理想的な形成デザインの追求をすることを研究のゴールとする。
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研究実績の概要 |
先天性気管狭窄症は気管の一部が生まれつき狭いために気道閉塞症状を示す疾患である。これまで狭窄の程度を評価するのはCTによる形態学的な解析が主であり、気道全体としての気流の様子が評価されることは無かった。そこで本研究では本症を対象に、術前・術後で撮像されたCTから3D気管モデルを構築し、数値流体力学 (computational fluid dynamics, 以下CFD)の解析手法で従来には無かった病態評価を行い、得られたデータと臨床情報を対比させることで、術前の重症度判定と術後の治療効果判定におけるCFD解析の有用性を示し、理想的な形成デザインの追求をすることをゴールとして研究を開始した。 方法 先天性気管狭窄症と診断された症例の術前および術後のCTを用いてCTデータから3D気管モデルを作成し、CFD解析ソフトにて気道抵抗値、流速を算出した。 結果① 術前CTによる症例間の比較:気道抵抗は狭窄部の気管径の実測値および狭窄部気管径と正常部気管径の比と負の相関をもって指数関数的に変動することが分かった。また、実測値では3ミリ、比では50%を境にそれよりも狭窄が強いと急激に気道抵抗値が上昇し、低いと下降する傾向が分かった。 結果② 術前術後での各症例ごとの比較:同一症例で術前術後の気道抵抗、流速を比較すると、多くの症例で術後に気管径が広がると気道抵抗が低下し流速も低下することが確認された。 結果③ シミュレーション手術とCFD解析の応用:3D気管モデルを加工ソフト上で気管径を変化させることで形成範囲を変化させた場合の気道抵抗値の変化を算出し、手術で得られる効果のシミュレーションを行った。また、3D気管モデルを3Dプリンター等で実態モデルを作成し、それに対して複数のデザインでシミュレーション手術を実施し、手術デザインごとの術前術後の気道抵抗変化を比較して理想的な手術デザインの検討を試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3D気管モデル作成を共同研究者である徳島大学小児歯科の岩崎が担当し、これを用いて、データ解析は共同研究者の前田も担当することで順調に解析が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
これまでは比較的シンプルな形状の気管狭窄症例を対象に解析を行ってきたが、基礎的なデータが蓄積されてきたので、今後は気管分岐異常を伴なった症例におけるデータ収集や肺動脈スリングなどの血管走行異常を伴なった症例における解析も進め、これまでに得られている臨床的な重症度とCFD結果を照らし合わせることでCFDデータをより臨床に応用できるようデータを積み上げていく方針である。
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