研究課題/領域番号 |
23K08327
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
近藤 展行 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (50402889)
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研究分担者 |
長谷川 誠紀 兵庫医科大学, 医学部, 特別招聘教授 (10252438)
松本 成司 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (60412011)
鎌田 宏幸 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任研究員 (10979280)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | エアリーク / ブタ肺モデル / ポリエチレングリコールゲル / VA法 / ハイドロゲル / 気道損傷 / ポリエチレングリコール / 気漏 |
研究開始時の研究の概要 |
手術による肺実質や気管・気管支からの空気漏れの修復には、組織接着剤および組織補強材を用いた制御が広く用いられているが、その効果は十分とはいえない。糊の組織深達度を高めるVentilation-anchoring method(VA法)があるが、既存品では固化時間の観点から組織深達度の改善に限界がある。 本研究では、固化時間・組織接着性・水中分解性を自在に制御可能な、自己固化性ポリエチレングリコールゲルを用い、VA法に最適な専用材料を開発し、フィブリン糊と比較検討する。本研究はin vitroのブタ肺を用いる実験系とした。新材料でVA法の効果を向上できれば、空気漏れの治療に大きく寄与できる。
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研究実績の概要 |
本研究では、固化時間・組織接着性・水中分解性を自在に制御可能な、自己固化性ポリエチレングリコール(PEG)ゲルを用い、我々が開発した肺漏の組織修復方法(VA法)に最適な専用材料を開発から着手した。実験系が安定してから、その性能を既存の方法すなわちフィブリン糊での組織修復法と比較検討する。新材料でVA法の効果を向上することを目標として、3年間の研究期間で研究を計画している。
本研究は、大きく7つの実施項目に分け、2023年度では下記の①から③まで実施した。 ①ブタ肺によるex vivo肺漏モデルの作成。ブタ肺(ex vivo)を用いて、肺漏、気管支瘻孔モデルの標準化を行った。手技としては先行研究で確立している。胸膜欠損領域を変更し、エアリークの程度を数値化を試みた。胸膜欠損を段階的に作成しモデルを準備した。耐圧実験の方法の標準化に取り組むが、適切な圧測定装置の設計に時間を要し、現在まで最大圧測定可能な圧力計は未完成である。したがって、空気漏れの観察されるバースト圧の測定は一旦保留し、他の実験系の構築に時間を割いた。 ②ゲルの設計を開始した。研究協力者らのノウハウの教授を受け、固化時間が手技上妥当となるように習熟した。①の耐圧実験系の確立後に、至適な固化時間の設計へ移行する。 ③人工呼吸器によるブタ肺モデル換気装置の設置を行なった。実験室のスペースに、新規購入した人工換気装置を設置し、肺モデルの接続と換気条件の設定を行った。一部ロードマップ上の計画から遅れているため、次年度に繰越して実験する見込みである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
耐圧実験の方法の標準化に必要な、気道内圧の測定装置を設計しきれず、時間を要した。最大耐圧値を正確に計測できる機器が見つからず、設計も技術的にかなり難しいと判明し、現在多方面へ相談中である。 したがって、バースト圧の測定は一旦保留した。 ゲルは幾つかの条件を変えて作成した。至適な固化時間の設計の比較検討も一時保留となっている。
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今後の研究の推進方策 |
まずは、測定装置を入手し、気道内圧の測定可能な状態にする。次いで、耐圧実験の方法を標準化させる。その上で、ゲルの私的な塗布方法で空気漏れの観察されるバースト圧の測定を再開する見込みである。 上記の完成後に、ゲルの最適化を検討する固化時間の設計を開始する。これらと並行して、従来の修復剤との比較実験を2年目で開始しする。その後3年目までにかけて、データ収集を行うため、各群の連続した実験で比較する行う予定である。 追加項目として、組織学的評価、物性の最適化、水中分解性の確認を共同研究者と進める。 随時、中間評価を行い、研究、実験方法を修正する。最終的には、各種の試験データをもとに、設計された新規材料が、VA法において既存のフィブリン糊に対して有用かどうかを判定する。研究成果の取りまとめと解釈が十分であれば、学会および誌上発表する。
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