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人工頭脳による神経ネットワーク解析を基盤とする次世代型麻酔深度モニター開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K08328
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分55050:麻酔科学関連
研究機関富山大学

研究代表者

廣田 弘毅  富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (30218854)

研究分担者 佐々木 利佳  富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (10345572)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード神経ネットワーク / 相互相関係数 / 断片化 / 全身麻酔薬 / 嗅内皮質 / ラット / 人工頭脳 / 麻酔深度モニター / 脳スライス
研究開始時の研究の概要

現在臨床で汎用されている麻酔深度モニターは,過去数秒~数分の脳波スペクトル分析を集積して解析するためタイムラグが生じ,正確な入眠や覚醒時期,想定外の体動や浅麻酔(術中覚醒)を予想できない欠点がある.本研究では第一に全身麻酔薬による神経ネットワークの断片化を人工知能(AI)でリアルタイムに視覚化・定量化し,ネットワーク断片化が高感度に麻酔効果を示すことを基礎的に明らかにする.本研究により得られたアルゴリズムを使い,透明性や改良性に富んだオープンソース型麻酔深度モニターを開発し,麻酔科学および未来医学の発展に貢献することを最終目的とする.

研究実績の概要

側頭葉嗅内野は脳への情報入出力ゲートであることから,全身麻酔薬の作用部位の1つである可能性が高い.今回我々は,独自に作製したラット嗅内皮質スライスの神経ネットワークに及ぼす全身麻酔薬の作用を検討した.
方法:実験に先立ち動物実験倫理委員会の承認を得た(A2021医-2).麻酔した雄性ウィスターラットから脳を摘出し,嗅内皮質スライス(0.4mm)を作製した.嗅内野外側および内背側に2本の細胞外電極をそれぞれ刺入し,θ波(4-8 Hz)を記録した.θ波は空間認知に関連する脳波であり,アセチルコリン作動薬であるカルバコール前処置により誘発できる.2つの神経ネットワークのθ波を相互相関解析したヒストグラムおよび相互相関係数(CCF)を算出し検討に用いた.CCFは,2つのネットワークの相互相関が高いと1.0に近い値をとり,ネットワークが断片化すると0に近づく.結果は平均±標準偏差で表した.検定はpaired-t検定を用い,P<0.05を有意とした.
結果:カルバコール前処置後のCCFは0.68±0.13 [n=18] を示した.揮発性麻酔薬デスフルラン(6%)投与により,CCFは0.32±0.15 [n=7] と有意に抑制されたことから,揮発性麻酔薬デスフルランは神経ネットワークを断片化すると考えられた.
結論:今回の検討から,揮発性麻酔薬デスフルランは神経ネットワークの断片化を生じることが明らかになった.神経ネットワークの断片化は,全身麻酔薬に特有のメカニズムである可能性を検討したい.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ禍のため十分な情報収集ができなかった.

今後の研究の推進方策

今回の検討から,揮発性麻酔薬デスフルランは神経ネットワークの断片化を生じることが明らかになったが,この神経ネットワークの断片化が全身麻酔薬に特有のメカニズムであるかどうかを検討する.

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 人工頭脳による神経ネットワーク解析から見えてきた全身麻酔薬の作用メカニズム2023

    • 著者名/発表者名
      廣田弘毅,佐々木利佳,大西健太,高澤知規
    • 雑誌名

      細胞

      巻: 55 ページ: 1053-1057

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 神経ネットワークの断片化から解析した全身麻酔の作用メカニズム2023

    • 著者名/発表者名
      佐々木利佳,廣田弘毅,大西健太
    • 学会等名
      第70回日本麻酔科学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] なぜキセノンで麻酔がかかるのか?2023

    • 著者名/発表者名
      大西健太,廣田弘毅,佐々木利佳,高澤知規
    • 学会等名
      第4回麻酔メカニズム研究会Re-Born
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] Mechanism of Anesthesia

    • URL

      https://drkokisiteb.myportfolio.com/anesthetic-mechanism

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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