研究課題/領域番号 |
23K08340
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
吉井 龍吾 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20898548)
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研究分担者 |
小川 覚 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50636131)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | coagulation / hemostasis / fibrinolysis / transfusion |
研究開始時の研究の概要 |
今日、様々な抗凝固薬が臨床で使用可能となっているが、新しい抗凝固薬としてFXIa(活性型第XI因子)拮抗薬の開発が進められている。FXIa拮抗薬は血栓症を防ぎつつ、他の抗凝固薬と比較して日常生活における出血リスクは低くなることが期待されている。その一方でFXIa拮抗薬は血栓を溶かす線溶反応が亢進する可能性も示唆されている。 本研究ではFXIa拮抗薬の使用により線溶反応が活性化するという仮説のもとに、FXIa拮抗薬による凝固線溶系への影響について各種検査手法を用いて明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究ではFXIa拮抗薬の使用により線溶活性化が生じるという仮説のもとに、今後臨床導入が期待されているFXIa拮抗薬による凝固線溶系への影響について各種凝血学的検査を用いて明らかにすることを目的としている。 健常者から得られた乏血小板血漿を用いて、抗FXIモノクローナル抗体(MAB24601)を0,2,5,10,20,50,100μg/mLとなるように濃度調整し、さらに組織プラスミノーゲン(t-PA)を100ng/mLとなるように添加調整した線溶亢進モデルを作成した。作成したこれらの検体に対して血液粘弾性検査、トロンビン生成試験を行った。その結果、抗FXIモノクローナル抗体によって凝固開始時間が延長し、トロンビン生成が抑制されているという結果が示された。またt-PAを添加した線溶亢進モデルでは線溶亢進波形が観察された。 これらの結果を受けて、次に抗FXIa薬であるabelacimabを用いて実験を行った。健常者検体から得られた乏血小板血漿にabelacimabを添加し、0,2,5,10,20,50,100μg/mLとなるように濃度調整、さらにt-PAを100ng/mLとなるように添加調整した線溶亢進モデルを作成した。作成した検体に対して血液粘弾性検査を行った。結果、abelacimabによって凝固開始時間は延長したが、線溶反応は安定して観察することができなかった。 今後はt-PAの添加濃度の調整を行うとともに、トロンビン生成試験に加えてフローチャンバー実験、凝固時間測定、凝固因子定量を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
抗FXIモノクローナル抗体(MAB24601)を用いた実験を終了し、その結果を参考に抗FXIa薬であるabelacimabを用いた実験を進めている。線溶反応が安定していないことが今後の検討課題であり、修正が必要であるが、今後はトロンビン生成試験、フローチャンバー実験、凝固時間測定、凝固因子定量といった他の凝血学的検査を行う予定もあり、概ね順調に実験は進展している。
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今後の研究の推進方策 |
抗FXIa薬であるabelacimabを健常者から得られた乏血小板血漿に添加して血液粘弾性検査を行うとともに、トロンビン生成試験も行う。線溶反応に関してはt-PAの添加濃度を調整して再度血液粘弾性試験を行う予定である。先天性FXI欠損症患者ではthrombin-activatable fibrinolysis inhibitor(TAFI)の活性化障害により線溶反応が亢進することが報告されているが、健常者から得られた乏血小板血漿ではTAFIの活性化障害を認めない可能性がある。そのため本研究の実験方法では線溶反応が観察できないことも予想される。 今後はフローチャンバー実験、凝固時間測定、凝固因子定量といった他の凝血学的検査を行う予定であり、既存の経口抗凝固薬との比較検討を行うことを検討している。
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