研究課題/領域番号 |
23K08351
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
外崎 充 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (60419968)
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研究分担者 |
二階堂 義和 弘前大学, 医学研究科, 講師 (50613478)
櫛方 哲也 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (80250603)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | オレキシン / 麻酔 / ノルアドレナリン / 自律神経 / 鎮静 / 集中治療 / 自律神経機能 / 重症感染症 / 内在的治癒能力 |
研究開始時の研究の概要 |
ストレス反応や免疫機能調整には自律神経機能が大きく関与している。不適切な鎮静はせん妄をもたらし予後に悪影響を及ぼす。特に「脆弱な脳」では鎮静が適切であるか否かで予後に大きく影響すると考えられる。一方、敗血症など重篤な病態や抗生剤の使用により腸内細菌叢が変化するが、自律神経機能や免疫能に腸内細菌叢と脳の連関が影響することが分かってきている。鎮静薬は薬理学特性によって自律神経に及ぼす影響が異なるため、敗血症や抗生剤の投与症例などの病態の違いによって適切な鎮静薬も異なると予想される。本研究は個々の病態に適した鎮痛・鎮静薬選択の根拠を自律神経機能、鎮静・睡眠動態、腸内細菌叢の面から探求する研究である。
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研究実績の概要 |
オレキシン(OX)、OX1型受容体拮抗薬(SB)、ノルアドレナリン(NA)特異的破壊薬(DSP4)を用いケタミンの鎮痛メカニズムにおけるOXとNAとの関連について検討を行った。OX活性が低下している遺伝子改変ラットにおいてケタミンの鎮痛効果はOX投与で増強された。この効果はNA活性とは無関係であったが、SBの投与で消失した。この結果は、OX単独でケタミン鎮痛作用に関与することが考えられた。 内因性覚醒物質であるオレキシン(OX)と中枢ノルアドレナリン(NA)の活性化はプロポフォールの麻酔時間を短縮する。本研究では両者はミダゾラム(MDZ)麻酔にどのような影響を及ぼすかOX活性が低下した雄性遺伝子改変ラットとその野生型のラットを用いMDZの麻酔時間に及ぼす影響を検討した。その結果、遺伝子改変ラットではMDZの麻酔時間が延長した。OX活性が低い遺伝子改変ラットでは大脳皮質と橋のNA活性も低かった。野生型ではMDZ麻酔時間とNA活性は逆の関係であった。アティパメゾール1.0mg/kg投与群では正向反射が消失しない個体が見られた。遺伝子改変ラットでもNA活性を抑えるとMDZ麻酔時間が延長した。 本研究から内因性覚醒物質オレキシンの不活化はミダゾラムの麻酔作用を強めたが機序の一環に中枢NA活性を介することが示唆された。この結果、臨床に用いられている静脈麻酔薬一般にOX神経活性は自律神経活性と共に鎮静作用に関与することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
腸内細菌叢の検討は測定評価法を調整中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は更に様々な麻酔薬に対し検討する予定。他の評価法も実施する。
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