| 研究課題/領域番号 |
23K08365
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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| 研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
加藤 利奈 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (20448715)
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| 研究分担者 |
志田 恭子 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 臨床研究医 (00381880)
大澤 匡弘 帝京大学, 薬学部, 教授 (80369173)
祖父江 和哉 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (90264738)
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| 研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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| キーワード | 慢性疼痛 / 情動 |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究では、疼痛の慢性化に、情動を調節する神経回路の持続的な活性化が必要であるという仮説を検証する。痛みの不快な情報に関与する視床背内側核と投射先の神経前帯状回皮質の回路で、アデノ随伴ウイルスベクターと化学遺伝学の技術により、特異的な細胞活性調節を行い、痛みの不快な情動に関わる回路を活性化した際の行動への影響を検討する。痛みで変化する神経細胞集団の活動への影響を、神経活動イメージングにより観察し、大規模脳活動同時記録により、情報伝達機構への影響を解析する。以上から、慢性疼痛に関わる情動の回路の役割を確認し、その機能調節で症状の改善が可能か明らかになれば、慢性疼痛の発症機序の一部を解明できる。
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| 研究実績の概要 |
本研究の最終目的は、疼痛の慢性化に情動を調節する神経回路の持続的な活性化が必要であるという仮説の検証である。昨年度は、情動を調節する神経回路を持続的に活性化する手法として、内因性物質では反応せず、人工的な化合物にのみ応答する変異型受容体(DREADD)を特定の細胞に発現させることで、その制御に成功した。 今年度は、神経活動を観察するため、前帯状回皮質(ACC)の神経細胞にカルシウム感受性蛍光タンパク質GCaMP6sを特異的に発現させる試みを行った。アデノ随伴ウイルスベクター(AAV)を用いて遺伝子発現を行い、ACCの神経細胞へGCaMP6sを発現させることに成功したが、GRINレンズを埋植し、ミニスコープによる蛍光変化の検出の試みは、蛍光の強度が低く、神経活動の計測には不十分であった。そのため、AAVのタイター調節やミニスコープの調節を行っている。代替手段として、安定して神経細胞にGCaMP6sを発現する遺伝子改変マウスを導入し、ACCの神経活動の蛍光イメージングを開始した。 また、今年度より、広範囲の脳領域における電気生理学的計測に着手した。分担者の大澤らが、マンガン造影MRIにより見出した、神経障害性マウスで活動が変化していた脳領域である大脳皮質体性感覚野、視床背内側核(MD)、前帯状回皮質、側坐核、前頭前皮質へタングステン電極を埋植し、神経障害前から神経障害後2ヶ月までの広範囲脳活動計測に成功した。現在、統計学的解析を行うため、複数の動物から広範囲脳活動同時計測を継続し、MDから情報が伝わると考えられる脳領域の周期的脳活動の情報伝達・因果性の定量化を行う準備をしている。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
蛍光イメージングによる神経活動計測は、AAVの発現条件の検討に時間を要し、GRINレンズを埋植し、ミニスコープによる神経活動のリアルタイム計測を達成することが今年度実施できなかったため、若干の遅れが生じているものの、大規模脳活動電気生理同時計測については、順調に準備が進み、予想以上にデータが得られ始めていることから、本研究の進捗については概ね順調に進展していると考えている。 次年度は最終年度であるが、蛍光イメージングによる神経活動計測では、安定的に神経細胞へGCaMP6sを発現する遺伝子改変動物を用いることができる環境になったことから、ACCから安定的に神経活動のイメージングが実施できると期待される。安定してイメージングができる環境を整え、MDからACCに投射する神経回路を人為的に機能調節した際のACCでの神経活動の蛍光イメージングによる計測を完了させる。また、電気生理学的計測では、今年度に完成した、タングステンによる多点脳領域電気背生理学的同時計測を継続し、得られたデータを機械学習やAIを用いた解析により、疼痛特異的な脳活動や脳活動パターンを抽出する。
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| 今後の研究の推進方策 |
MDからACCに投射する神経回路を、神経障害性疼痛モデル(Spared Nerve Injury モデル;SNIモデル)で抑制した際に、痛み閾値の低下が生じることから、今後は、情動面への影響を解析する。まず、オープンフィールドテストや高架式十字迷路を用いて、SNIモデルマウスで見られる行動変化におけるMDからACCへ投射する神経回路の関与について検討を行う。 次に、蛍光イメージングと遺伝子改変マウスを用いて、ACCにGRINレンズを埋植し、ミニスコープにより、蛍光カルシウムイメージングを行う。この蛍光カルシウムイメージングの実験をMDからACCに投射する神経回路を活性化した動物で行い、痛み感受性の変化とACCの神経活動の変化を解析する。次に、SNIモデルのACCにおける神経活動の変化を解析し、MDからACCへ投射する神経回路を抑制した際にACCにおける神経活動の変化に対する影響を解析する。 大規模脳活動計測では、神経障害性疼痛に特異的な周期的脳活動を抽出し、MDからACCへ投射する神経回路を抑制した際に、神経障害性疼痛特異的な周期的脳活動に対して影響が見られるかを明らかにする。また、MDからACCへ投射する神経回路を活性化した際に、神経障害性疼痛特異的な周期的脳活動が出現するか、また、MDからACCへ投射する神経回路の持続的な活性化により、周期的脳活動がどのような影響を受けるかについて検討を行う。 これらの検討結果を踏まえ、痛み認知に関与する複数脳領域間の神経活動の因果関係を時間軸に沿って明らかにし、慢性疼痛における情報処理機構の一端を解明することを目指す。
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