研究課題/領域番号 |
23K08386
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 智恵 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (70843530)
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研究分担者 |
吉川 裕介 札幌医科大学, 医学部, 講師 (40721759)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 六君子湯 / 心臓虚血再灌流傷害 / Sirtuin1 / 炎症性サイトカイン / sirt1 / グレリン |
研究開始時の研究の概要 |
心臓虚血再灌流傷害は心筋梗塞後の心不全を引き起こす病態であり, その治療は未だ困難である. Silent mating-type information regulation 1(Sirt1) は抗炎症作用や酸化ストレス耐性増強により心臓虚血再灌流傷害を軽減することが知られている. 六君子湯はグレリン分泌促進効果によりSirt1発現を増強させることが報告されている. 本研究では, 六君子湯によりグレリン分泌を介してSirt1活性が増強され, 心臓虚血再灌流傷害が軽減されるかどうかを検討する. 六君子湯は経口投与が可能であり患者負担が少なく, 臨床応用につながる可能性を十分に有すると考える.
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研究実績の概要 |
心臓虚血再灌流傷害 (ischemia reperfusion injury:IRI) は心筋梗塞後の心不全を引き起こす病態であり, その治療は未だ困難である. 六君子湯は腸管運動を亢進させたりグレリン分泌を促進する作用を発揮する漢方薬であり,それらの作用に加えて,抗炎症作用により臓器傷害を軽減することが報告されている. しかしながら六君子湯が心臓 IRIに対して心保護効果を発揮するか否かについてはこれまでに検討されていない. 本研究では, 六君子湯投与により抗炎症作用が発揮され, 心臓 IRI が軽減されるかどうかを検討する. 我々はまずC57BL/6マウスに1000mg/kg/dayの六君子湯(六君子湯群)または水(コントロール群)を14日間経口投与し,15日目にIRIモデル作成手術を行った.虚血時間30分,再灌流時間を2時間とし,再灌流終了時に心筋梗塞サイズを測定した.心筋梗塞サイズは両群で有意差は認めなかった.ELISAにて血中グレリン濃度の測定を行ったが,グレリン濃度の上昇は認めなかった.先行文献 (J Cardiol. 2020) ではグレリン濃度の上昇はなかったがSirt1を介して抗炎症作用を発揮する可能性があると報告されており,本研究でも虚血心筋におけるSirt1のmRNA発現量をPCRにて測定した.Sirt1のmRNA発現量に両群で有意差は認めなかった.しかしSirt1は核内移行することで脱アセチル化作用により転写因子の機能を調整することが知られている.そのため細胞全体としては差がなかった可能性もある.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マウス心臓虚血再灌流傷害モデルを作成するための気管挿管手技および手術手技を習得することに多くの時間が必要であり,実験の進捗はやや遅れてしまった.またPCR手技を習得するためにも時間を要し,実験の進捗に影響した.
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今後の研究の推進方策 |
六君子湯投与が心筋梗塞サイズに影響を及ぼさなかったことから,六君子湯14日間の経口投与では臓器保護効果が弱い可能性がある.臓器保護効果に至らないまでも抗炎症作用があれば生体には有益と考えられるため,今後は抗炎症作用を炎症性サイトカインの増加減少を捉えて検証していきたい.
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