研究課題
基盤研究(C)
慢性の痛みは、脳内ネットワークの可塑的な変化によって成立するという見解がこの10年ほどで広く認識されてきた。一方、痛みのネットワークを構成する神経核は、痛み以外にも、体性感覚、内臓感覚、一般的情動などさまざまな機能に関与しており、これらの中の「痛み活性化ニューロン」をそれ以外のニューロンと区別し解析することは困難であった。本研究では、特定の状態で活動したニューロンのみに人工的機能分子を発現させることが可能な「Fos-TRAP法」を用い、脳内の「痛み活性化ニューロン」とその間に形成されるシナプスのシナプス伝達を、痛みという機能に基づいて選択的に標識・刺激・抑制・解析し、慢性痛機構を明らかにする。