研究課題/領域番号 |
23K08412
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
菅澤 佑介 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (80459114)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 神経ステロイド / TMEM16 / スクランブレース / イオンチャネル / コレステロール |
研究開始時の研究の概要 |
TMEM16はリン脂質スクランブレース/イオンチャネルである。このスクランブレースは細胞膜の脂質を移動させることにより、生体内で血液凝固やアポトーシスに関与し、イオンチャネルとして侵害感覚受容等の重要な生理的役割を担う。TMEM16制御メカニズムの解明は麻酔・疼痛制御における新たな研究領域として注目を集めているが、申請者はコレステロールがTMEM16への結合を介して、スクランブレースの機能を調節することを発見し、さらに、生体内でコレステロールから生成される神経ステロイドがTMEM16を制御することを発見した。本研究は神経ステロイドによるTMEM16制御作用の分子機序を詳細な解析で明確にする。
|
研究実績の概要 |
TMEM16はリン脂質スクランブレース/イオンチャネルである。このスクランブレースは、細胞膜の脂質を移動させることにより、生体内で血液凝固、アポトーシスに関与し、イオンチャネルとして、侵害感覚受容等の重要な生理的役割を担う。TMEM16制御メカニズムの解明は、周術期の麻酔・疼痛制御における新たな研究領域として注目を集めているが、申請者は、コレステロールがTMEM16への特異的結合を介して、スクランブレースを制御する陰性アロステリック調節因子であることを発見し、さらに、脂質によるTMEM16制御作用のスクリーニングの結果、生体内でコレステロールから生成される神経ステロイドがTMEM16を制御することを発見した。神経ステロイドは中枢神経系の興奮性と機能の調節を担い、全身麻酔薬や、うつ病の治療薬に臨床応用されている。本研究では、スクランブレースnhTMEM16を用いた蛍光標識定量法を用い、内因性神経ステロイドのAllopregnanolone(AlloP)がTMEM16のスクランブレース活性を抑制することを見出した。さらに、光親和性標識法と質量分析を用いて、AlloP添加によるコレステロール光親和性標識の阻害をみとめたため、AlloPはコレステロールと共通の結合部位を介して、TMEM16を制御する可能性が示された。今回、神経ステロイドによるTMEM16制御の役割を解明すべく、構造解析および電気生理学的解析を軸に分子機序の詳細な解析を実施し、神経ステロイドがアロステリック調節因子として、スクランブレース活性を抑制するだけでなく、TMEM16のイオンコンダクタンスも制御する可能性が示された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度に予定していた実験計画は遂行され、概ね期待された実験結果が得られている。
|
今後の研究の推進方策 |
研究計画を遂行し、本プロジェクトに関する学会発表を行う。
|