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糖尿病による血管内皮グリコカリックス障害が植皮/皮弁術に与える影響の検討

研究課題

研究課題/領域番号 23K08422
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分55060:救急医学関連
研究機関岐阜大学

研究代表者

岡本 遥 (池庄司遥)  岐阜大学, 大学院医学系研究科, 特任助教 (50585239)

研究分担者 岡田 英志  岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (30402176)
富田 弘之  岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (50509510)
鈴木 昭夫  岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (80775148)
手塚 宜行  岐阜大学, 大学院医学系研究科, 特任教授 (90868209)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード皮弁 / グリコカリックス / 血管内皮グリコカリックス / 血管内皮障害 / 糖尿病
研究開始時の研究の概要

広範囲に皮膚欠損が生じると植皮により組織再建術を行うが、糖尿病患者では術後感染や創傷治癒遅延を起こしやすく、微小循環障害がその原因の一つといわれているがその機序はいまだ明らかではない。
健常な血管内皮細胞の内腔表面にはグリコカリックス (GCX) と呼ばれる多糖類で構成された層が存在し、微小循環の恒常性維持に寄与している。血管内皮GCXは糖尿病によって障害されることは知られている。
本研究ではまず2型糖尿病マウスを用いて穿通枝皮弁モデルを作成し、皮膚欠損に対する植皮術において血管内皮GCXの関与を組織学的並びに超微形態学的に解析し、そのGCXをターゲットにした治療法を開発することを目的とする。

研究実績の概要

外傷や熱傷に対して皮弁を用いた再建手術が行われるが、糖尿病患者の皮弁生着率は健常者に対して低いことが知られている。皮弁壊死は皮弁組織への還流障害が原因と考えられており、その要因の一つに血管内皮障害が考えられている。健常な血管内皮細胞内膜面にはグリコカリックス(GCX)と呼ばれる多糖類で構成された層が存在し、微小循環の恒常性を維持している。GCXは糖尿病によって障害されることが知られており高血糖下の皮弁組織ではGCXが障害されているために微小血管の循環障害が生じると考えられる。本研究では2型糖尿病モデルマウス(db/db)を用いて穿通枝皮弁モデルを作成し、皮弁組織の血管内皮GLXについて検討する。
9-12週齢のホモ型(db/db:糖尿病発症)とヘテロ型(db/+:糖尿病非発症)に対し、4本の穿通枝で栄養されている背部の皮弁を剥離し、3本を結紮切離し1本のみ残した状態で再度皮弁を背部に戻し、1週間での生着率を比較した。また皮弁血流をエバンスブルーを用いて比較した。術後1週間の皮弁組織について血管内皮GCXの形態学的差異を走査型電子顕微鏡(SEM)で評価した。
皮膚遊離後1週間の時点でdb/dbでは全ての個体で皮弁壊死が見られた。経時的に皮弁の変化を観察した結果、残存した穿通枝の対側からうっ血様に変色し壊死していく様子が確認された。対照群では全ての個体で皮弁は壊死せず生着した。皮弁血流について、db/+では皮弁全体がエバンスブル―によって薄く染色されたのに対し、db/dbでは残った穿通枝の対側半分が染色されなかった。SEMではdb/dbの血管内皮GCXはdb/+と比較して顕著に菲薄していることが確認された。
db/dbでは皮弁組織の血管内皮GCX構造が破綻していた。このことが皮弁組織の毛細血管から静脈への還流を障害していることが考えられた

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

皮弁作成を行うところから、治療まで速やかに結果が出ており、当初の計画以上に進展している。

今後の研究の推進方策

様々な治療薬を試していく

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Recombinant antithrombin attenuates acute kidney injury associated with rhabdomyolysis: an in vivo animal study2024

    • 著者名/発表者名
      Miura Tomotaka、Okuda Tomoki、Suzuki Kodai、Okada Hideshi et al.
    • 雑誌名

      Intensive Care Medicine Experimental

      巻: 12 号: 1 ページ: 7-7

    • DOI

      10.1186/s40635-024-00594-y

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 臨床的脳死となった中学生患者で経験した、1か月以上にわたる家族サポートの経験と課題2024

    • 著者名/発表者名
      三浦智孝、中島優介、山路文範、福田哲也、岡本遥、三宅喬人、長屋総一郎、岡田英志、吉田省造、小倉真治
    • 学会等名
      第51回日本集中治療医学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ショックの鑑別に苦慮した、メトホルミンによる乳酸アシドーシスの1例2024

    • 著者名/発表者名
      大岩秀明、吉田知生、吉田省造、三宅喬人、岡本遥、水野洋佑、北垣博基、木村かおり、柚原利至、小倉真治
    • 学会等名
      第51回日本集中治療医学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 維持透析の見合わせについて多職種カンファレンスによる意思決定プロセスを経た,維持透析患者の一例2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木浩大、吉田省造、岡田英志、千葉尚和、南山徹、岡本遥、土井智章、小倉真治
    • 学会等名
      第68回日本透析医学会学術集会・総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 感染性心内膜炎に対する手術を断念せざるを得なかったが救命し得た一例2023

    • 著者名/発表者名
      千葉尚和、北川雄一郎、吉田省造、三浦智孝、鈴木浩大、岡本遥、小倉真治
    • 学会等名
      日本集中治療医学会第7回東海北陸支部学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 虐待診療における救急医の役割 -虐待による頭部外傷(AHT)の乳児例を通して-2023

    • 著者名/発表者名
      島田卓人、岡本遥、福田哲也、上谷遼、長屋聡一郎、岡田英志、吉田隆浩、吉田省造、小倉真治
    • 学会等名
      第51回日本救急医学会総会・学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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