研究課題/領域番号 |
23K08427
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
佐藤 格夫 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (30409205)
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研究分担者 |
酒井 大史 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 助教 (00820804)
今井 祐記 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 教授 (10423873)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | cecal slurry / 敗血症 / 筋力低下 / 栄養素 / PICS / ICU-AW / 栄養療法 / 骨格筋 / 筋萎縮 |
研究開始時の研究の概要 |
敗血症は感染症に伴う生体反応により、組織障害や臓器障害をきたし、生命を脅かす状態と定義されている。 集中治療の進歩により、敗血症の救命率は向上しているが、退院後も運動機能障害を有する患者が多いことが報告されており、長期予後の改善に向けての取り組みが重要である。また、集中治療室入室中の低栄養と退院後死亡率の関連が報告されており、急性期から「適切な栄養療法」を行うことが重要だがその方法は確立されていない。 本研究では重症敗血症モデルマウスを用い、遺伝子発現プロファイルを網羅的に解析することで、敗血症発症後の骨格筋萎縮や長期にわたる筋力低下の機序を明らかにし、その抑制につながる栄養療法を探索する。
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研究実績の概要 |
敗血症治療はガイドライン普及により、救命率が向上している一方で、集中治療後症候群(Post-intensive care syndrome, PICS)とよばれる運動機能・認知機能・精神の障害を有する患者数が増加していることが周知されている。また、ICU入室中の低栄養と退院後の死亡率の関連を示す報告があり、これからの敗血症治療は長期予後の改善が求められており、早期からの栄養療法は重要であるものの確立されていない。このことから、敗血症発症後、長期にわたる筋力低下に対して、その抑制効果がある急性期の具体的な栄養療法を明らかにすることは極めて重要である。そのため、敗血症後の筋力低下の因となる骨格筋萎縮の機序を解明し、栄養介入可能な遺伝子の探索と急性期栄養介入を行うことで、敗血症発症後の筋力低下を抑制する急性期栄養療法を明らかにすることを本研究の目的としている。そこで、重症敗血症モデルマウスを作出し、筋力低下の原因となる骨格筋萎縮の機序を解明するため、RNA-seqにより遺伝子発現プロファイルをゲノムワイドに解析する。そして、発現変動遺伝子に対して介入可能な栄養素、物質を探索し、急性期の栄養介入と筋力低下抑制効果を評価する。本研究により、敗血症後の筋力低下に対する急性期の栄養介入効果を示すことができれば、臨床での長期予後改善に向けた栄養療法につながることが期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
糞便混濁液(Cecal slurry, CS)を用いた重症敗血症モデルマウスを作成し、体重変化、骨格筋量の低下、筋力の低下など基本となるモデルを示すことができた。CSによる敗血液症発症後、特に骨格筋量が減少する4日目あたりでの骨格筋のmRNAを用いたRNA-Seqnenceによる遺伝子発現プロファイルを解析した。パスツール解析により、より関係しそうな遺伝子発現の変動を解析している。おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
CSによる重症敗血症モデルを用いた研究を推進する。 CSによる敗血症発症後4日目におけるRNA-Seqによる遺伝子発現プロファイルを解析し、骨格筋量の低下に関与する遺伝子発現の結果からターゲットとなるべき経路を特定する。遺伝子発現に関与する経路で、栄養介入(栄養素としての介入)が可能なものを用いて、CSによる敗血症モデルへの介入を試みる。本研究の主目的である骨格筋量低下、筋力低下に対する抑制効果を確認していく。in vivoでの効果を確認できたら、より詳細な代謝変化の機序をin vitroを用いた実験により解析を追加していく。
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