研究課題/領域番号 |
23K08437
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
柿坂 庸介 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (90400324)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 脳磁図 / 低侵襲の脳活動モニタリング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では様々なタイプのてんかん患者(全般性、焦点性)において、発作間欠時および発作時脳活動を従来の脳波と並行してTMR脳磁計で評価し、TMRセンサーにおける異常活動を形態的に定義し、同時に最適な記録のための測定条件を検討する。また、救急現場の脳波でしばしば遭遇する「発作時脳活動」が従来型脳磁計(SQUID)でどのような形態・分布で出現するのかも基礎データとして検討する。
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研究実績の概要 |
本年度はTMRセンサーを用いた磁場計測並びに評価を行う環境整備を行い、対象者をリクルートし記録を開始した。本研究を効率よく実施するための事前検討として、体性感覚刺激や聴覚刺激など様々な刺激とそれを最適に記録するセンサー位置の探索を行っている。同時に本センサーの臨床応用を見据えて、てんかん症候群の一つである扁桃体腫大を呈する内側側頭葉てんかんにおける脳磁図所見の特徴を検討した。 本検討では21名の扁桃体腫大を呈する内側側頭葉てんかん患者を対象とし、これを1)扁桃体腫大のみを呈する群(AE群)(N=10)と2)扁桃体腫大に加えて何らかの病変を呈する群(AE+群)(N=11)に分けた。対象者は頭皮上脳波を装着した状態で、覚醒睡眠を含む1時間以上の自発活動を脳磁図で記録した(脳波と脳磁図は同時記録されている)。てんかん専門医または専門資格を持つ臨床検査技師が、視覚的に抽出した複数のてんかん性活動を等価電流双極子法をもちいてダイポールとして一点近似させ、その棘波信号源を各患者の頭部画像(MRI)上に反映させた。81%の患者(N=17)において棘波信号源は側頭葉前方内側に推定された。棘波信号源が前方に局在し、かつ水平または垂直型を呈した患者は、AE群では70%(N=7)に上ったのに対しAE+群では18%(N=2)にとどまった(p<0.01)。本研究により、均質な症例群とみなされやすい扁桃体腫大を呈する内側側頭葉てんかんも、皮質病変が脳内ネットワークに何らかの影響を与えていることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記に示すように、研究課題推進に必要なTMRセンサーの基礎データ収集と、従来型脳磁計を活用したてんかん研究が実施できており、研究は順調に進捗しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度研究で得られた知見を踏まえ、TMRセンサーによる対象者の脳活動の評価を本格化させる。また本年度同様、従来型脳磁図を活用した研究も適宜実施することで、課題研究のさらなる推進を図りたい。
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