研究課題/領域番号 |
23K08438
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
井上 貴昭 筑波大学, 医学医療系, 教授 (60379196)
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研究分担者 |
星野 哲也 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (00621921)
下條 信威 筑波大学, 医学医療系, 講師 (20462210)
榎本 有希 筑波大学, 医学医療系, 講師 (30649231)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 熱傷 / 心拍数コントロール / マウス熱傷モデル / ivabradine |
研究開始時の研究の概要 |
動物実験では、ラット熱傷モデルを用いて、control群、ivabradine前投与群、LPS投与群、ivabtadine+LPS投与群に分け、皮膚の再生状況をHSP70、HSP27、MIB5の免疫染色にて、また肝・腎・肺の臓器障害をTNF-αなどで定量評価する。また臨床研究では、Burn Index (BI) ≧20の重症熱傷に対して、landiolol 及びivabradine 経口投与で心拍数≦100/分にコントロールし、過去5年間のBI≧20の重症熱傷症例と比較して、必要輸液量、尿量、体重変化量、血清アルブミン値、ICU滞在期間、最終転帰について比較検討する。
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研究実績の概要 |
重症熱傷患者では、サイトカイン血症により、心拍数は100-120/分が定常状態であり、無理な調整は不要であることが定説とされ、重症熱傷患者の急性期治療における心拍数管理については問題視されていなかった。一方で敗血症においては、β-遮断薬投与による心拍数管理により、生命予後の改善が報告されている。我々は、『重症熱傷患者に対する急性期の心拍数コントロールは、栄養代謝を改善し、創傷治癒の向上と廃用拘縮の抑制を促し、治療期間の短縮に寄与する』と仮説を立てた。本研究では、ラット熱傷モデルを用いた基礎研究、及び前向き介入研究及び後方視的履歴分析により、重症熱傷患者に対する心拍数コントロールの効果として、体重、栄養代謝、移植皮膚の生着、及びICU滞在期間、の変化を評価することを目的としている。 基礎研究では、ラットを用いて薬理的心拍数コントロールと非コントロール下での熱傷モデルを作成し、コントロール群も加えて、7日間の薬剤的投与の後、テレメトリーを用いて心拍数の前測定を行う。続いて一定の熱傷侵襲を加えた上で、創部、肺、腎について免疫組織学的に創傷治癒状況及び臓器障害を定量評価し、生存率について各群の比較を実施する。 臨床研究では、当院ICUに入院するBurn Index (BI) ≧20の重症熱傷で、心拍数≧100/分を超える患者に対して、入院時より心拍数≦75/分になるように急性期はlandiolol 、亜急性期はivabradineの経口投与ににて目標心拍数を28日間維持し、体重の28日間経日的変化、血清アルブミン値の28日間経日的変化及びアルブミン投与量、ICU滞在期間、最終転帰予後について評価を行、過去のBI≧20の重症熱傷症例についてhistorical analysisを実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年は基礎研究はモデル作りとテレメトリー購入が進められず、基礎実験の進行に大幅な遅れを出してしまっている。進行速やかに倫理委員会申請、動物モデルの完成、予備実験と本実験へと進めるように再計画をしている。 臨床研究においては、広範囲熱傷患者の入院が10月末までなかったこともあり、患者エントリーが難しい年であった。そのため、まず後方視的に過去の症例における急性期の心拍数の経日変化と予後の関係の解析を進めている。また介入試験に当たって倫理委員会申請を進めている途上である。
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今後の研究の推進方策 |
基礎研究では、6月にモデル作りと測定系を確立し、8月には本研究を開始するように調整する。テレメトリーを用いた心拍数変化測定を確実に記録できることの確認と、食餌及び薬剤服用を確実に行う手技を確立する。また、病理標本作製や免疫染色に関する調整を行う。 臨床研究においては、まず自験例における広範囲熱傷患者を抽出しており、急性期2週間心拍数変化を後方視的に検討し、予後との関連性を検討する。また介入試験について院内倫理委員会申請を進め、熱傷症例が多くなる秋から冬に向けて試験を実運用する準備を確実に進める。学内臨床研究センターと連携して介入検査の倫理委員会承認を早急に進める。
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