研究課題/領域番号 |
23K08448
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
|
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
加持 秀明 自治医科大学, 医学部, 客員研究員 (10586366)
|
研究分担者 |
吉村 浩太郎 自治医科大学, 医学部, 教授 (60210762)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 災害医療 / 幹細胞 / 放射線障害 / 急性放射線障害 / 脂肪由来幹細胞 / ASCs / 被ばく医療 / ARS / 急性放射線症候群 / 脂肪幹細胞 / 被ばく / 再生医療 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、実用的な細胞源として再生医療で期待される脂肪由来幹細胞(ASCs)を、治療法がいまだ確立されていない、急性放射線症候群(ARS)に対して活用することができるのか、基礎的検討を行う。 ARSに対する幹細胞治療研究では、投与細胞の生体内における働きと、果たす機能を明らかにすることも重要である。本研究では、高度な生体イメージングで投与後の細胞動態を把握できる可能性があり、被ばく医療に資する新たな治療法を開発できる。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、免疫寛容性を有しながらも骨髄由来幹細胞と同等の多能性を持ち、遺伝子操作も不要で余剰脂肪組織から単離でき、実用的な幹細胞源として再生医療で期待される脂肪由来幹細胞(ASCs)の自験における全身性放射線障害に対する治療効果などを根拠に、ヒトおよびマウス由来ASCsおよびそのセクレトームの全身投与による幹細胞治療のARSに対する治療効果を新たな動物実験系による生存期間評価試験と生体イメージング試験で評価し、災害医療に資する新規再生治療を開発、確立することである。 実績としては、①当初想定していた分割照射プロトコルによる試験系確立に向けた至適条件に目途、②現環境での被ばくモデル作製における効率性と解析に支障をきたしていた、時間および麻酔に関する問題を解決する作製方法の検討について多くのデータを集めることができた。①に関しては、皮膚に創傷を作製して幹細胞治療を局所的に行ったり、治療予定部位のみへの照射を行うことができるため、維持麻酔の必要があるものの、実験目的によっては当然使用し続けることができる。照射時の動物固定位置や各部品の位置について、数ミリから数センチ単位でのガイド的条件についても各個体で凡庸可能な範囲で検討している。②については、これまで全身照射の場合、1匹ずつ照射せねばならず、個体の数が増えるほど、その試験の正確性がずれていくほど長時間かかるため、骨髄移植モデルの作製などに使われるマウスホルダーなどを用いて、本研究に資する実験系を構築できるのか、急性放射線障害モデル(ARSモデル)を作製できるのか検討した。とくに、マウスホルダーだけでなく、電動ターンテーブルなどの活用が重要であり、現在は各ASCsを投与し、長期の生存試験も実施中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
特定レートにおける照射条件下で、これまでより時間を大幅に短縮してARSモデルマウスを作製できるようになった。また、過去に収集したデータを本モデルでも参考できるか調べるため、最大の違いである維持麻酔の有無がデータに与える影響について、一部比較検討した。その結果、新たな条件、すなわち、特定レートおよび非麻酔下において、電動ターンテーブルを回転させつつ、X線を照射することで現環境下では最大12匹のマウスに対して、同時に処置を行うことができ、実験系の大幅な改善につながった。 現在、免疫不全マウスを用いた予備的試験(幹細胞治療あり)を終え、別系統WTマウス用いてARSに対する幹細胞治療効果の検討を行っており、一部について投与蛍光ASCsのイメージング試験を行う予定である。現在も長期経過観察下にあるため、予備的データ収集が続いている状況である。
|
今後の研究の推進方策 |
一部試験については、生存期間評価期間は終えているものの、エンドポイント後も飼育を続けている生存個体について、生体イメージングを行う予定である。投与幹細胞の体内動態について把握し、今後の研究実施プロトコルの最適化に活かす。
|