研究課題/領域番号 |
23K08462
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
|
研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
中村 公秀 佐賀大学, 医学部附属病院, 助教 (90750951)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 敗血症 / IL-27 / immunoparalysis / 樹状細胞 / マクロファージ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、独自のツールであるIL-27レポーターマウスを用いることで、IL-27産生細胞を特定し、その細胞が産生するIL-27と敗血症のimmunoparalysisとの関連性を解析することを目的とした研究である。これにより、今後のIL-27研究や、敗血症におけるimmunoparalysisの病態生理の理解やその治療法の確立に重要な一石を投じるものと考えられる。
|
研究実績の概要 |
敗血症は、感染に対する制御不十分な免疫応答に起因する重篤な病態であり、過剰な炎症状態に加え、免疫抑制状態(immunoparalysis)が病態形成に関与する。インターロイキン27 (IL-27) は、炎症促進作用と炎症抑制作用の二面性を有しているが、敗血症時にIL-27を産生する主細胞は依然特定されておらず、また、敗血症におけるimmunoparalysisに対するIL-27の関与を報告した研究はない。本研究では、独自のツールであるIL-27レポーターマウスを用いて、敗血症におけるIL-27産生細胞を特定し、その機能的役割をimmunoparalysisに対する観点から解明することを目的とする。本年度は敗血症におけるIL-27産生細胞の特定を主に行った。 IL-27レポーターマウスにLPSを投与し、フローサイトメトリーで確認した実験において、樹状細胞がIL-27産生に関与していた。磁気ビーズで分離・精製した脾臓のCD11c陽性樹状細胞とCD11b陽性マクロファージのLPSに対するIL-27産生量をELISA法で比較した実験においても、同細胞数では樹状細胞の方が有意にIL-27産生量が多かった。しかし、細胞数はマウロファージの方が圧倒的に多かったため、totalのIL-27産生量は樹状細胞とマクロファージが同程度であることが示唆された。それは、樹状細胞特異的IL-27欠損マウスとマクロファージ特異的IL-27欠損マウスを作製し、これらのマウスにLPSを投与した実験において、血清中のIL-27濃度が同程度であり、且つ、野生型マウスの血清IL-27濃度のおよそ半量であったことからも裏付けることができる。 以上より、敗血症時にIL-27を産生する主細胞は樹状細胞とマクロファージであると結論付けた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
敗血症におけるIL-27産生細胞が樹状細胞とマクロファージであることは特定できたが、樹状細胞特異的IL-27欠損マウス、及びマクロファージ特異的IL-27欠損マウスの実験に必要な匹数を準備するのに時間を要した。そのため、当初行う予定であった、IL-27産生細胞の表面マーカーや遺伝子プロファイルを解析し、その表現型を明らかにするという実験を行うことができていない。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度は、IL-27産生細胞の表現型を明らかにするのと並行して、敗血症におけるimmunoparalysisにIL-27が関与しているか、関与しているのであれば、更に敗血症におけるimmunoparalisisに樹状細胞 and/or マクロファージが産生するIL-27が関与しているかを明らかにしていく。
|