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敗血症性心筋症に対するカリウムチャネル活性の創薬基盤研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K08464
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分55060:救急医学関連
研究機関静岡県立大学

研究代表者

渡邊 泰秀  静岡県立大学, 薬学部, 客員教授 (50305380)

研究分担者 黒川 洵子  静岡県立大学, 薬学部, 教授 (40396982)
松田 直之  名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (50332466)
坂本 多穂  静岡県立大学, 薬学部, 准教授 (80433150)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
キーワード敗血症性心筋症 / 敗血症性不整脈 / イオンチャネル / トランスポーター / 自然免疫
研究開始時の研究の概要

敗血症は,感染症に随伴する臓器不全の進行であり,敗血症性ショックとして致死的循環不全となる。活動電位波形制御に重要な心筋K+チャネルの活性化因子は敗血症性心筋症の発症要因そのものである。このため敗血症性心筋症における心筋K+チャネル活性の解析は不可欠である。本研究は,敗血症病態におけるK+チャネル等のイオンチャネル機能の変容を電気生理学的に解き明かすことを目的とする。 マウス敗血症モデルにおける心筋K+チャネル活性の解析と病態との関連の解明,敗血症心病態へのチャネル遮断薬をもちいた薬理学的解析,敗血症性心筋症の病態形成の詳細な解明を行う。

研究実績の概要

敗血症は,感染症に随伴する臓器不全の進行であり,敗血症性ショックとして致死的循環不全となる。活動電位波形制御に重要な心筋K+チャネルの活性化因子は敗血症性心筋症の発症要因そのものである。このため敗血症性心筋症における心筋K+チャネル活性の解析は不可欠である。本研究は,敗血症病態におけるK+チャネル等のイオンチャネル機能の変容を電気生理学的に解き明かすことを目的とした。
野生型C57/BL6Jマウスに同種マウスの糞便懸濁液(CS)を腹腔内注射をすることで敗血症モデルを作成し、研究室内での技術が安定化していることを生存曲線から確認した。CS投与24時間後で心電図・心エコーによる生理機能解析を行ったところ、心拍出量の低下や心房ー心室連関の異常が観察された。Vehicleとの差が最大および回復したタイミングである24時間後にしぼり、摘出心臓からランゲンドルフ灌流法により心室筋細胞を単離して,パッチクランプ法により,活動電位を規定する各種パラメーターを計測した。その結果、CSにより活動電位持続時間が延長することが示された。炎症性サイトカイン計測実験についても標本の収集を行った。ヒト型の緩徐脱分極遅延整流性カリウムチャネルを心臓特異的に発現しているマウスでは、敗血症による全身症状および体温低下が軽減し、活動電位持続時間も不変であるという結果が得られた。以上、令和5年度は計画どおりに実験が進んだことから、次年度は、カリウムチャネルの機能亢進による心保護のメカニズム解析を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和5年度は、主に敗血症モデルにおいて、全身症状および死亡率を指標に、飼育環境・時期・実験者によるばらつきを軽減するための条件検討を行った。その結果、同ロットのCSからきわめて安定した結果が得られる条件を選定することに成功した。一方で、CSのロット間差が在ることも新たに見いだし、その解析に当初の予想よりも多くの時間を要したが、本研究では、CS投与24時間後に絞って解析することにして実験計画の遂行の遅れはない状態にしてた。今後、ロット間差の原因は別プロジェクトとして解析することとなった。それ以外の実験については、当初の予定通り進展しており、変更点はない。

今後の研究の推進方策

敗血症心病態機能変化における心筋K+チャネルの関与の解析心筋K+チャネルは,構成分子のKCNQ1を介し,Ca2+とNOとcAMPから独立に制御を受け,NCXと機能共役しているので,令和5年度で行った結果に影響すると考えられる。そこで,敗血症性心障害に対する心筋K+チャネルの保護(代償)作用はどのタイミングで起こるかを明らかにし, Ca2+,NO,cAMPなどをはじめとしたセカンドメッセンジャーの関与を検討し,恒常性維持機構の変容を探究する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 敗血症による心臓電気活動の異常に対するIKsチャネルの役割2024

    • 著者名/発表者名
      金原和希、野間口財、服部希海、児玉昌美、渡邊泰秀、清水聡史、永森收志、坂本多穗、黒川洵子
    • 学会等名
      日本薬学会第144回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Pathophysiological roles of a macromolecular complex of the cardiac KCNQ1 channel2023

    • 著者名/発表者名
      Nozomi Hattori, Takara Nomaguchi, Masami Kodama, Yasuhide Watanabe, Satoshi Shimizu, Shushi Nagamori, Kazuho Sakamoto, Junko Kurokawa
    • 学会等名
      Ion Channel Modulation Symposium 2023 (Tokyo)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 敗血症による心臓電気活動の異常に対するIKsチャネルの役割2023

    • 著者名/発表者名
      服部 希海、野間口 財、児玉 昌美、渡邊 泰秀、清水 聡史、永森 收志、坂本 多穗、黒川 洵子
    • 学会等名
      第17回トランスポーター研究会年会 (名古屋)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 敗血症による心臓電気活動の異常に対するIKsチャネルの役割2023

    • 著者名/発表者名
      服部 希海、野間口 財、児玉 昌美、渡邊 泰秀、清水 聡史、永森 收志、坂本 多穗、黒川 洵子
    • 学会等名
      第148回日本薬理学会関東部会(春季) (オンライン)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 敗血症による心臓電気活動の異常に対するIKsチャネルの役割2023

    • 著者名/発表者名
      服部 希海、野間口 財、児玉 昌美、渡邊 泰秀、永森 收志、清水 聡史、三宝 誠、平林 真澄、西村 明幸、西田 基宏、坂本 多穗、黒川 洵子
    • 学会等名
      第22回次世代を担う若手のためのファーマ・バイオフォーラム2023 (福岡)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 敗血症による心臓電気活動の異常に対するIKsチャネルの役割2023

    • 著者名/発表者名
      野間口 財、服部 希海、児玉 昌美、渡邊 泰秀、永森 收志、清水 聡史、三宝 誠、平林 真澄、西村 明幸、西田 基宏、坂本 多穗、黒川 洵子
    • 学会等名
      東海地区薬学系電気生理学研究会(静岡)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 敗血症性心臓電気障害に対するIKsチャネルの役割2023

    • 著者名/発表者名
      野間口 財、服部 希海、児玉 昌美、渡邊 泰秀、永森 收志、清水 聡史、三宝 誠、平林 真澄、西村 明幸、西田 基宏、坂本 多穗、黒川 洵子
    • 学会等名
      生理研研究会「炎症・免疫系と心血管系の相互作用から切り拓く循環生理機能の解析」
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] コメディカルのための薬理学2024

    • 著者名/発表者名
      渡邊泰秀、安西尚彦、大内基司
    • 総ページ数
      223
    • 出版者
      朝倉書店
    • ISBN
      9784254330120
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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