研究課題/領域番号 |
23K08472
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
加藤 梓 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 免疫・微生物学, 助教 (10581241)
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研究分担者 |
中島 弘幸 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 免疫・微生物学, 准教授 (10574064)
宮崎 裕美 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 防衛医学研究センター 医療工学研究部門, 講師 (30531636)
小山 薫 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60186830)
木下 学 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 免疫・微生物学, 教授 (70531391)
中島 正裕 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 免疫・微生物学, 助教 (70738103)
佐藤 仁哉 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 病態病理学, 准教授 (90801845)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | PIICS / 敗血症 |
研究開始時の研究の概要 |
敗血症の救命率が向上した結果、敗血症生存例において続発する免疫抑制や遷延する多臓器障害が次なる治療ターゲットとなってきた。 敗血症は早期の診断と治療が重要であるが、実臨床に即した動物モデルはいまだに確立していない。 既存のマウス盲腸結紮穿刺モデルに対し外科的介入と抗生剤の投与を行う「敗血症救命後モデル」を確立する。 そして、本モデルにおける免疫抑制病態の機序や肝、肺、腎、脾など重要臓器の分子生物学的、病理組織学的な特徴を明らかにする。 さらに、解明された病態機序や免疫学的特徴を基に、新たな免疫賦活化策や臓器障害軽減化策を立て、マウスでの治療介入モデルの実験的検証を行う。
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研究実績の概要 |
敗血症は罹患率の高い重篤な疾患であるが、近年のガイドラインの普及や集中治療の進歩により救命率が向上した。その結果、急性期を乗り越えた症例に続発する免疫抑制や遷延する多臓器障害が次なる治療ターゲットになってきた。敗血症救命後に予後不良な転機をたどる病態として、Persistent Inflammation, Immunosuppression, and Catabolic Syndrome(PIICS)とされているが、PIICS病態の適切な動物モデルは未だ確立されておらず、モデルの確立が急務である。 本研究の目的は、既存のマウス盲腸結紮穿刺モデルに対し、壊死盲腸の切除と腹腔内洗浄、抗生剤の投与を行うことで、実臨床に即した重症敗血症後生存例、すなわち「敗血症救命後モデル」を確立し、本モデルにおける免疫抑制病態の機序や肝、肺、腎、脾など重要臓器の分子生物学的、病理組織学的な特徴を明らかにすることである。さらに、解明された病態機序や免疫学的特徴を基に、新たな免疫賦活化策や臓器障害軽減化策を立て、マウスでの治療介入モデルの実験的検証を行うことである。 今年度、「敗血症救命後モデル」がPIICSの病態を示すのかを中心に検討を行った。マウスに盲腸結紮穿刺を行った後、実臨床同様に壊死盲腸切除、腹腔内洗浄、抗生剤投与を施した場合、炎症反応は術翌日に著増するものの速やかに低下した。体重は低下し処置14日後にも回復は見られず、腓腹筋重量も低下したままであった。肝機能、腎機能は低下せず、病理学的検査においても異常は認められなかった。一方、肺の病理学的検査においては処置14日後でも炎症細胞の浸潤が著しく、フローサイトメトリ―においても好中球と単球の浸潤が認められ、肺という局所の臓器においては全身の炎症反応が収束した時期においても炎症反応が持続していると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実臨床同様に処置を行う場合は全身の炎症反応は速やかに低下したが、体重と腓腹筋重量は処置後14日経過しても回復しないことが判明した。臓器ごとに受ける敗血症のダメージとそこからの回復が違うことが分かった。
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今後の研究の推進方策 |
敗血症救命後には肺炎の罹患が増えるため、今後は肺に注目し、肺の免疫能に関して検討を進めていく予定である。
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