研究課題/領域番号 |
23K08473
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
本田 博之 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (20535174)
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研究分担者 |
西山 慶 新潟大学, 医歯学総合研究科, 教授 (90447970)
松井 亨 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (60753283)
晝間 優隆 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (50915048)
八幡 えり佳 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (30622906)
上村 夏生 新潟大学, 医歯学系, 助教 (00792285)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 脳波 / ウェーブレット変換 / 深層学習 / 蘇生後脳症 |
研究開始時の研究の概要 |
心肺停止蘇生後の患者の転帰を改善して社会復帰を促すことは重要な課題である。しかし、蘇生後の脳の機能障害を正確に評価する方法が存在しないため、重症度に応じた治療プロトコルを適用できないことが問題である。本研究では脳機能障害の指標として脳波に着目する。脳波をウェーブレット変換することで複数の特徴量をスカログラム画像として抽出し、人工知能(深層学習)を用いて脳障害の重症度を高精度に推定する実用的なシステムを構築する。本研究で開発する重症度評価システムにより高精度の予後予測を可能にするだけでなく、脳機能障害の重症度に応じて個別化した蘇生後ケアを創造することを目指す。
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研究実績の概要 |
1)データの抽出:研究対象者19名より脳波データを抽出した。このうち、4名は女性で、11名は院外で発生した心停止症例であった。18名は体温管理療法を導入し、体温は34℃から36℃にコントロールされていた。1か月後の神経学的機能が良好であったものは5名であった。脳波データは自己心拍が再開してから4~12時間後までに記録が開始されていた。72時間後まで記録していたものは15名であった。以上より、予定通り多様な症例から脳波データを記録できていたと考えられる。しかし、症例が19名と少数にとどまっており、今後の課題である。 2)モデルの作成:ウェーブレット変換を行った脳波データを用いて深層学習モデルを作成するのが本研究の最終的な目標である。この深層学習モデルの性能を評価するための比較対象となるモデルを作成する必要がある。本研究では脳波の特徴を示す数値指標(特徴量)として、アルファ波・ベータ波などの脳波の周波数帯域のパワー比、シャノンエントロピーなどを用いる。現在、ロジスティック回帰モデルやランダムフォレストモデルを構築中である。 3)深層学習環境の構築:予定通り、深層学習可能な環境を構築した。GPUはNVIDIA A4000を選択し、MATLAB、Pythonで利用可能にした。これを用い、脳波特徴量を算出するコードを作成した。さらにウェーブレット変換を施し、スカログラム(時間・周波数・振幅情報を図として描画したもの)を出力するコードを作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実施場所である重症患者管理病床において脳波データを記録可能な病床は12床である。深層学習モデルを作成するためにはより多くのデータが必要だが、現時点で19症例と少ない。そこで、脳波データ記録可能な病床を救急・集中治療病床28床全体に拡充する予定であったが工期が遅れている。また、半導体価格の高騰による深層学習用パソコンの納入が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
脳波データを収集し、深層学習モデルを作成する。しかし、脳波データの不足が問題となっている。脳波データ記録可能な病床を拡充することは決まっているが、工期が遅れている。脳波データが不足する場合は、収集したデータのアップサンプリングなどの数学的な手法で対応を試みる。数学的な手法で対応できない場合に備え、公開されている脳波データセットを入手する。
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