研究課題/領域番号 |
23K08475
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
今村 行雄 京都大学, 工学研究科, 研究員 (90447954)
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研究分担者 |
村上 由希 関西医科大学, 医学部, 講師 (50580106)
松本 寿健 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (70644003)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2027年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 敗血症脳症 |
研究開始時の研究の概要 |
敗血症性脳症は重傷敗血症の生存者に起こる高次の脳機能障害である、近年、その病態に関わる症例報告は増えつつあるが、依然有効な治療方法が確立されているとは言い難く、世界的な社会問題である。本研究では、実験的に敗血症や重症熱中症などに効果が確認されているコリン作動性抗炎症性経路の賦活化による緩解メカニズムを軸に敗血症性脳症への効果の研究を深化させる。分子イメージング- シングルセル解析- 病態遺伝子解析の3者の新しい技術を投入し、敗血症性脳症の新しい診断・治療介入方法の創出に挑む。基礎系・臨床系の研究者による学際的チームから真に臨床適用可能な敗血症性脳症の診断・治療方法の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
敗血症は重篤な全身性感染症であり、その合併症として脳に重大な障害を及ぼす「敗血症性脳症」を引き起こすことがあります。この脳症は意識障害や精神症状、運動障害など様々な神経学的異常をもたらし、患者の回復を大きく阻害する要因となっています。しかし、その発症メカニズムの詳細は不明な点が多く、有効な治療法の開発が遅れがちでした。そこで私たちは、この重要な課題に取り組むべく研究を開始しました。マウスを用いてモデル動物を作製し、敗血症時の脳の変化を徹底的に解析しました。脳内の炎症経路を制御できる系を構築し、それらが脳症の発症にどう関わるかを詳細に観察しました。その結果、ある種の抗炎症性の脳神経細胞を活性化させると、敗血症による意識障害などの症状が顕著に改善されることが明らかとなりました。この発見は、抗菌薬による感染症治療に加え、新たな神経保護的アプローチで脳症の発症そのものを予防できる可能性を示唆するものです。長年にわたり解決の目処が立たなかった敗血症性脳症に対し、今回の知見は画期的な治療法開発への足がかりを与えてくれました。研究成果を権威あるジャーナルに発表したところ、丁寧な実験デザインと重要な発見が高く評価され、世界中から多くの反響を呼びました。しかし、これはあくまで一つの発端に過ぎません。今後は、この知見を足がかりとして、より広範な研究、特に症状の分子機構の解明や新規治療薬種の探索などに取り組む必要があります。遺伝子発現解析、タンパク質解析、など、様々な研究手法を動員しながら、包括的な治療法の確立に向けた研鑽を重ねていきたいと考えております。最終的な目標は、敗血症性脳症という難治性の神経合併症を克服し、感染症患者の神経学的予後を大幅に改善することにあります。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、炎症制御物質(サイトカインやアセチルコリン受容体など)をラベル化し、敗血症性脳症を持つマウスモデルを用いてイメージングで検出します。研究計画における実験は順調に進行中です。主な実験手法の多くはまだ始まっていませんが、研究の初期段階で重要な基礎データを収集することができました。また、敗血症性脳症における抗炎症経路の活性化に焦点を当てた研究論文を成功裏に発表し、学会でのプレゼンテーションを通じて有益なフィードバックを受け取ることができました。これらの成果はプロジェクトの進捗において大きなステップとなっており、全体的なプロジェクトの進行は順調です。 今後は、実験の実施に向けて体制を強化する予定です。学会で得られたフィードバックを活用し、さらに研究手法を精緻化することで、敗血症性脳症の病態理解を深めることが期待されます。これにより、最終的な目標である炎症の制御メカニズムの解明に向けた効果的な進捗が期待できます。
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今後の研究の推進方策 |
敗血症性脳症の病態解明と新規治療法の開発を目指した本研究は、順調な滑り出しを切ることができました。まずマウスモデルの構築が予定通り進み、脳内の炎症経路を制御できる実験系を整備することに成功しました。この系を用いた詳細な解析により、特定の神経細胞の活性化が敗血症による意識障害などの症状を改善することが明らかとなり、画期的な発見を得ることができました。この知見は世界で初めてであり、権威あるジャーナルへの論文掲載に伴い、国内外から高い評価を受けています。既に複数の研究機関から共同研究の打診があり、さらなる研究推進への弾みとなっています。現在は、この成果を足掛かりとして、分子メカニズムの解明と新規治療薬種の同定に取り組んでいます。遺伝子発現解析やタンパク質解析などの実験は順調に進行中です。 このように本研究は当初の期待通りのペースで進行しています。敗血症性脳症に対する包括的な治療法の確立に向けて、一層の研究推進を図っていく所存です。
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