研究課題/領域番号 |
23K08501
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中溝 玲 九州大学, 医学研究院, 准教授 (80529800)
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研究分担者 |
有村 公一 九州大学, 大学病院, 講師 (00638025)
村田 正治 九州大学, 先端医療オープンイノベーションセンター, 教授 (30304744)
吉本 幸司 九州大学, 医学研究院, 教授 (70444784)
高岸 創 九州大学, 大学病院, 助教 (70965243)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | glioblastoma / microRNA / miR149-5p / miR615-5p / MTT assay / Western blotting / SHMT2 / PSPH / 膠芽腫 / ナノパーティクル / セリン合成経路 |
研究開始時の研究の概要 |
ナノパーティクルはセリン合成経路を抑制するmiRの有効なdelivery vehicleとなりうるのかを検証する。1)膠芽腫におけるセリン合成経路のkey enzyme であるPSPHとSHMT2を最も効率的に抑制するmiRの同定、2)膠芽腫に対する指向性を付 与したナノパーティクルに当該miRを組み込んだmiR-ナノパーティクルの開発、3)in vivoでの治療効果の判定(間葉系幹細胞との 比較)、4)当該miRが膠芽腫および周囲の正常脳組織の代謝に及ぼす総体的影響の検討でを行う。
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研究実績の概要 |
本年度は、膠芽腫におけるセリン合成経路のkey enzymeであるPSPHおよびSHMT2を標的とするmiRを選択し、 in vitroにおいて膠芽腫に対する増殖抑制効果、発現レベルの抑制効果を検証した。 他のがん種においてPSPHおよびSHMT2の発現を抑制する作用が報告されているmiRのうち、我々の予備実験において膠芽腫細胞における発現が低いmiR-149-5、miR-615-5pを候補miRとした。 増殖能はMTT assayで評価した。miR-149-5、miR-615-5p をtransfectした結果、negative controlをtransfectしたU87と比較し、1日間の培養では増殖能に差はみられなかったが、2-5日間の培養でmiR-149-5p、miR-615-5pをtransfectしたU87の増殖能が抑制された。 発現レベルはWestern blottingで評価した。上記MTT assayにおいて増殖能がより強く抑制されたmiR-149-5pをtransfectしたU87 において、negative controlをtransfectしたU87と比較し、SHMT2の発現が抑制されており、PSPHの発現も低減傾向にあった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画書において、2023年度は候補となるmiRを選定し、膠芽腫細胞にtransfectして、PSPHおよびSHMT2の発現レベルの変化と増殖能の変化を検証する予定であった。そのうえで、最もPSPHおよびSHMT2の発現を抑制し増殖抑制作用が強いmiRを同定する方針であった。PSPHとSHMT2の発現レベルはWestern blotting、増殖能はMTT assayにて検討する予定としていた。結果として、候補としたmiRのうち、第一候補のmiR149-5pをtransfectしたU87細胞株において、MTT assayで増殖能が抑制され、Western blottingでSHMT2とPSPHの発現が抑制されることを確認した。また、miR615-5pをtransfectしたU87細胞株において、MTT assayで増殖能が抑制されることを確認した。培養条件、miRの濃度、検体数において今後も実験を継続する必要はあるが、2023年度の計画を概ね遂行できたと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の実験の結果より、10µMおよび20µMに調製したmiR149-5pをtransfectしたU87細胞株において、MTT assayで増殖能が抑制され、Western blottingでSHMT2の発現が抑制されることを確認したが、miRの濃度を変化することでも同様の結果が得られるか検証する。さらに、膠芽腫に指向性を有するナノパーティクル(NP)を開発すると同時に、レンチウイルスベクターを用いたmiRを強発現した間葉系幹細胞(MSC)を作製する(miR-MSC) 。また、膠芽腫モデルマウスの開発を検討する。
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