研究課題/領域番号 |
23K08504
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
前岡 良輔 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (70812337)
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研究分担者 |
持田 祐希 公益財団法人川崎市産業振興財団(ナノ医療イノベーションセンター), ナノ医療イノベーションセンター, 副主幹研究員 (60739134)
中澤 務 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (00772500)
松田 良介 奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (60453164)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | マウス膠芽腫細胞株 / NK細胞 / 糖化PEG修飾型抗PD-L1抗体 / immunotherapy / NK cells / ICI |
研究開始時の研究の概要 |
膠芽腫は予後不良の悪性脳腫瘍であり、新規治療法として免疫治療が注目されている。チェックポイント抗体を用いた免疫治療は有効性は低く、新たな治療戦略が必要である。血液脳関門の透過性を高めたチェックポイント抗体である糖化ポリエチレングリコール修飾型PD-L1抗体(糖化PEG修飾型PD-L1抗体)のマウス膠芽腫モデルで有効性を報告したが、このマウスモデルは臨床と異なり、免疫学的に活性状態にあり、チェックポイント抗体が効きやすい。今回の研究では臨床に近い免疫学的不活性状態のマウスモデルを用いた「糖化PEG修飾型PD-L1抗体とNK細胞を併用した新しい免疫治療戦略」の膠芽腫に対する抗腫瘍効果解析を行う。
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研究実績の概要 |
2023年度は、マウス膠芽腫細胞株(SB28, CT-2A)の培養を開始した。また同時に、マウスの脾臓からNK細胞分離 kit(STEMCELL Tech社)を用いてNK細胞の分離し、磁気ビーズを用いて高純度マウスNK細胞を得ることに成功している。さらに、10%FBS、3000IU/mLのIL2および10ng/mLマウスIL-15を添加したRPMI-1640培地で培養することに成功、さらに、活性がday-7で最も高いことが判明した。 各種マウス膠芽腫細胞株とマウス末梢血血由来NK細胞を共培養し、RTCA S16 (ATCA社) を使用してリアルタイムでマウス膠芽腫細胞の増殖を検討した。その結果、SB28、およびCT-2Aの2種類の細胞株において、NK細胞は培養開始後3時間から48時間まで濃度依存性に膠腫効果を発揮した。Flowcytometry解析において、NK細胞は両方の細胞株において、有意にアポトーシスを誘導していることが判明した。 加えて、研究を前倒しして、マウス膠芽腫モデルをCT-2A、SB28で作製することに成功した。共同研究者である持田らから糖化PEG修飾型抗PD-L1抗体の提供を受ける契約手続きを行なったとともに、その契約で提供された抗体を用いて、CT-2Aの膠芽腫モデルに抗体の投与を行い、抗体のみ投与することでのOverall survival の延長を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
マウス膠芽腫細胞株の培養、およびマウスNK細胞の共培養実験は順調に進行している。 また前倒しを行い、実験を行うことができたとともに、その分、研究費用も前倒しで申請しているため、当初の研究計画以上に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度においてはマウス膠芽腫細胞株のスフェロイド作製・およびスフェロイドに対するNK細胞の抗腫瘍効果の検討を行う。また、マウス膠芽腫モデルにマウスNK細胞および、糖化PEG修飾型抗PD-L1抗体を投与することにより生存期間の延長が得られるかを検証する予定である。
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