研究課題/領域番号 |
23K08514
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
原 祥子 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (60772879)
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研究分担者 |
鎌形 康司 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60568153)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | もやもや病 / Glymphatic system / 血液脳関門 / MRI / 脳血流障害 / 脳脊髄液 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は成人もやもや病患者において、拡散MRIによるGlymphatic system機能評価、ダイナミック造影MRIによる血液脳関門透過性評価を、脳血行再建術前後で行うことで、脳血流障害によるGlymphatic system・血液脳関門の変化、および術後合併症・手術効果との関連を明らかにする。本研究でMRIによるGlymphatic system・血液脳関門透過性評価の臨床的意義を確立すれば、今後もやもや病のGlymphatic system・血液脳関門透過性と認知機能障害・脳出血発症の関連、様々な病態解明と臨床応用が期待できる。
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研究実績の概要 |
15O-gas PETとM本年度RI撮影を手術前後で行った参加者のリクルートを行い、6名が新規参加した。血管透過性画像については解析方法の試行錯誤を行っているが、そもそも専門家の中でも至適解析方法が定まっておらず、難渋している。これまで他疾患では適切に解析できていた方法も正常血管信号の評価が必要であるため、もやもや病に正常血管が存在しないことからあまりうまくいっていない。 拡散MRIを用いた水成分やGlymphatic system評価については共同研究施設である順天堂大学で解析方法が確立しており、こちらは順調に解析がすすんだ。術前後のGlymphatic system指標に関しては、今年度に新規参加した6例と、過去に研究参加した12例をあわせた18例で解析を行った。既に論文報告しているように水成分は術後有意に低下しているものの、Glymphatic system指標に関しては、術後機能に有意な変化があるとはいえない状況である。水成分の術後変化には、血管透過性の変化が影響している可能性がある。いまだ症例数が少ないので、今後も更なる症例蓄積が必要である。 追加の試みとして、中枢神経の水動態の新たな指標として最近注目されている脈絡叢についての検討を行った。18例の検討を行い、脈絡叢容積が手術前後で有意に低下していることを確認し、日本磁気共鳴医学会2023で発表を行った。血管透過性、Glymphatic systemに脈絡叢容積の情報を追加することで、もやもや病手術前後の病態変化をさらに解明できる可能性がある。今後もさらに症例を蓄積しつつ、学会活動を通じて新規解析方法の検討や新規指標の併用も探っていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
血管透過性画像については解析方法の試行錯誤を行っているが、そもそも専門家の中でも至適解析方法が定まっておらず、難渋している。これまで他疾患では適切に解析できていた方法も正常血管信号の評価が必要であるため、もやもや病に正常血管が存在しないことからあまりうまくいていない。今後も解析方法の検討を続ける
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今後の研究の推進方策 |
計画通り、今後も研究参加者のリクルートを継続する。また血管透過性指標の解析方法については、文献検索のみならず学会活動を通じ、他施設から新規解析方法の情報を得ていく。また、今回脈絡叢の検討を追加したように、MRI研究の領域で注目される新規指標があれば、それも併用しての追加解析を行っていく。
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