研究課題/領域番号 |
23K08515
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
山本 修輔 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (00971607)
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研究分担者 |
黒田 敏 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (10301904)
出沢 真理 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50272323)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Muse細胞 / 間葉系幹細胞 / 脳梗塞 / 経鼻移植 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では急性期脳梗塞に対するMuse細胞の経鼻投与の安全性・有効性の検証を目的とした基礎研究である。マウス急性期脳梗塞モデルに対しMuse細胞の経鼻投与を行い、運動機能、認知機能の改善効果を評価する。さらにMuse細胞投与後の脳を組織学的に評価し、Muse細胞の定着の有無、神経細胞への分化の有無を検証する。対照群として過去の研究からすでに有効性が確認されているMSCの経鼻投与を並行して実施し、運動機能や組織学的所見を比較することでドナーとしてのMuse細胞の優位性を検証する。
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研究実績の概要 |
マウス中大脳動脈閉塞モデルを作成し、7日目に幹細胞の経鼻移植を実施した。マウスは4群に分類した。Vehicle群に対してはPBS 100μLを、low-dose MSC群に対してはMSC 6.0×10^4個を、high-dose MSC群に対してはMSC 1.6×10^6個を、Muse細胞群に対してはMuse細胞 6.0×10^4個をそれぞれ含むPBS 100μLを経鼻的に投与した(各群10匹ずつ)。幹細胞の経鼻投与の30分前にhyaluronidase 100U/3μLを左右の鼻孔にそれぞれ投与した上で、PBSまたは各細胞を含む懸濁液を5μLずつ1分間の間隔を空けて左右の鼻孔に交互に投与した。中大脳動脈閉塞導入前、導入翌日、導入後7日、14日、28日、42日、56日、70日、84日目にRotarod testにて運動機能評価を行なった。84日目に4%パラフォルムアルデヒドにて灌流固定ののち脳組織を採取し、凍結切片を作成した。現在、免疫染色を実施中である。行動評価では、中大脳動脈閉塞導入翌日はbaselineと比較し運動機能が有意に低下していた。この時点では4群間で運動機能に有意差はなかったが、84日目においてはMuse細胞群における運動機能がvehicle群、low-dose MSC群、high-dose MSC群のいずれよりも有意に優れていた。過去の報告にてマウス脳虚血モデルに対するMSCの経鼻投与の有効性が示されているが、今回の運動評価の結果からは、Muse細胞の経鼻投与において運動機能の改善効果がより高い可能性が示唆された。これは、経静脈投与、脳内投与等の侵襲的な方法をとらずとも、非侵襲的な経鼻投与で脳梗塞後の機能回復が得られる可能性を示しており、将来の脳卒中医療に大きな影響を与え得る結果であると思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定では、2年間で実験および組織学的評価を全て終了することを目標としていたが、すでに実験の大部分は終了し組織評価の段階に入っているため、概ね順調に進展していると思われる。また、Muse細胞群において運動機能の改善効果が大きいという、当初期待していた結果が得られていることも研究が順調と考える理由の一つである。Muse細胞の経鼻投与と経静脈投与との比較も行う予定であったが、これについてはMuse細胞の経鼻投与の有効性が示された段階で開始する予定であるため、現時点で実施していないことは想定内である。
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今後の研究の推進方策 |
上述の通り、現在行っている組織評価を引き続き実施する。具体的には、脳組織におけるヒトミトコンドリア, NeuN, GSTpi, GFAPに対する抗体を用いて免疫染色を実施する。これにより、脳組織における投与幹細胞の分布や神経細胞、オリゴデンドロサイト、アストロサイトへの分化の有無を評価する。Muse細胞群において、脳組織におけるヒトミトコンドリア抗体陽性細胞数が多いこと、また神経細胞への分化が活発に起こっていることを示すことができれば、行動評価の結果を裏付けることができる。結果としてMuse細胞の経鼻投与の有効性を示すことができれば、Muse細胞の経鼻投与と経静脈投与との間で有効性を比較する。経静脈投与は経鼻投与と同様の動物モデルを用いて、細胞投与のタイミング、細胞数(Muse細胞6.0×10^4個)や行動評価のタイミングも経鼻投与と同様にして実施する。組織評価も経鼻投与と同様の方法・内容で実施する。また、これらの研究成果を国内の脳外科領域の主要な学会(STROKE、日本脳神経外科学会学術総会、脳循環代謝学会、日本分子脳神経外科学会等)で発表することを予定している。また、結果によってはInternational Stroke Conference, European Association of Neurosurgical Societies Congress, Congress of Neurosurgical Surgeons Annual Meeting等の国際学会での発表も検討する。結果がまとまり次第、論文としても発表する。
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