研究課題/領域番号 |
23K08528
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
高島 康郎 京都府立医科大学, 医学部, 研究員 (50621083)
|
研究分担者 |
田代 啓 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10263097)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 膠芽腫 / マイクロRNA / 幹細胞調節因子 / 悪性脳腫瘍 / PD-L2 / PD-1 / miR-93 / let-7 family |
研究開始時の研究の概要 |
悪性脳腫瘍には膠芽腫と中枢神経系原発悪性リンパ腫が含まれる。研究代表者はこれまでの研究で、膠芽腫およびPCNSLにおいて、ヘルパーT細胞関連遺伝子ならびにPD-1, PD-L1, およびPD-L2の発現パターンと予後との関連を示し、分子標的治療の候補因子として、免疫チェックポイント遺伝子、マイクロRNA、転写因子、上皮間葉転換(EMT)遺伝子、微小環境因子などを複数同定してきた。本研究ではとくにこれらの因子の中から、PD-1リガンドであるPD-L1とPD-L2を標的としたマイクロRNA制御による分子標的療法の基礎実験を膠芽腫およびPCNSLの細胞株を用いて行い、動物実験により検証する。
|
研究実績の概要 |
悪性脳腫瘍には膠芽腫と中枢神経系原発悪性リンパ腫(primary central nervous system lymphoma; PCNSL)が含まれる。研究代表者はこれまでの研究で、膠芽腫およびPCNSLにおいて、ヘルパーT細胞関連遺伝子ならびにPD-1, PD-L1, およびPD-L2の発現パターンと予後との関連を明らかにしている。この他にも、分子標的治療の候補因子として、免疫チェックポイント遺伝子、マイクロRNA、転写因子、上皮間葉転換(epithelial-mesenchymal transition; EMT)因子、がん微小環境因子などを複数同定してきた。新たな実験において、複数の膠芽腫およびPCNSLの細胞株におけるマイクロRNA制御性幹細胞調節因子の細胞型特異的遺伝子発現パターンが明らかとなった。しかしながら、一部の膠芽腫細胞株(T98G, U251)においては同因子は低発現であり、マイクロRNA制御性幹細胞調節因子に依存しない細胞増殖経路の可能性が示唆された。代わりに、グルコース代謝や酸化ストレスに関連した細胞活性化経路や、細胞間相互作用における受容体を介した細胞内情報伝達経路の活性化などが示唆された。これらの結果は、マイクロRNAや遺伝子発現による細胞型診断に基づいた個別化医療の必要性を表しているものと思われる。本研究課題に関連した新たな課題として、これらの遺伝子を標的としたマイクロRNA制御ならびにマイクロRNA制御性幹細胞調節因子による分子標的療法の基礎実験についても膠芽腫およびPCNSLの細胞株を用いて検証していく。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の実験において、複数の膠芽腫およびPCNSLの細胞株におけるマイクロRNA制御性幹細胞調節因子の細胞型特異的遺伝子発現パターンが明らかとなった。しかしながら、T98GやU251における同因子の低発現などから、一部の膠芽腫細胞株においてはマイクロRNA制御性幹細胞調節因子に依存しない細胞増殖経路の可能性が示唆されたことにより、新たな検証課題が持ち上がった。
|
今後の研究の推進方策 |
研究計画に沿って研究を進めて行くが、同時に、一部の膠芽腫細胞株におけるマイクロRNA制御性幹細胞調節因子非依存性細胞増殖経路についても研究を展開する。ただし、グルコース代謝や酸化ストレスに関連した代替経路、あるいは受容体を介した細胞内情報伝達経路の活性化などに関連するマイクロRNAなど、本研究課題を逸脱しない範囲に留める。
|