研究課題/領域番号 |
23K08535
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
川堀 真人 北海道大学, 医学研究院, 講師 (50399870)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 脳虚血 / 間葉系幹細胞 / エクソソーム |
研究開始時の研究の概要 |
「脳梗塞」は、依然として本邦における要介護の主要な原因であり、神経学的後遺症を軽減する治療法開発は社会的急務である。我々はこれまでに中枢神経損傷に対する「細胞治療」を主導してきた実績を有するが、本研究においては、新たに、間葉系幹細胞から分泌され神経保護作用を有する「細胞外小胞(エクソソーム)」と、かつそれを低侵襲/短時間に高濃度の脳内に到達させる方法として「経鼻的投与」に着目した。エクソソームの脳内分布メカニズムの解明と治療効果の検証、さらには、新たに機序して注目されている脳-腸相関機構を検証することで、臨床応用に向けた非臨床POCの取得、治療効果発現機序の包括的解明を目指す。
|
研究実績の概要 |
準備:エクソソームの抽出(10万Gの超遠心法)・ラベリング(ExosparklerとPKH26)・モデル動物(Threadモデル・全脳虚血モデル・distal MCAOモデル)の作成・組織学的評価などの予備的な検討を大学院生が行い、手技の習熟を行った。その後In-vitro・In-vivoの研究を開始した。 In-vitro研究:セルライン(神経芽細胞種株SY5Y・マイクログリア株BV2)に対してLPS負荷もしくは酸素栄養剥離(Oxygen glucose deprivation: OGD)を加え、エクソソームの投与を行い、生存率(CCK)および炎症性サイトカイン(IL6/TNF-a)の定量を行った。エクソソームの投与によって生存率の改善および炎症性サイトカインの低下が認められた。エクソソーム内に含まれる成分の分析を行いmiR125a-3pにTargetを絞ってmiR125a-3pのmimicもしくはinhibitorを使用し追加の検討し、炎症の制御に関係している事を確認した。 In-vivo研究:ラット全脳虚血モデルに対してエクソソーム(1x10^8個)を経鼻的に梗塞後3日間連続投与を行い、高次脳機能障害・脳内アポトーシス・脳内炎症に対する評価をおこなった。結果、エクソソーム投与群において8方向アームテストで高次脳機能障害が軽減している事を確認し、記憶に投与している海馬のアポトーシス(Apoptag染色、Caspase染色)および炎症細胞浸潤(CD68染色)が軽減している事を確認した。また経鼻的に投与したエクソソームが投与1時間では嗅球周囲に多く存在するが、その後24時間までの間に脳内に経時的に増加している事も確認した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
想定以上に研究が進捗している。Negative dataが少なかったことが理由と考える
|
今後の研究の推進方策 |
全脳虚血以外のモデル(一過性片側脳梗塞モデル)や永久閉塞モデルにおいても同様の結果が得られるかを確認する
|