研究課題/領域番号 |
23K08538
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
田村 郁 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 講師 (70629146)
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研究分担者 |
佐々木 雄彦 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (50333365)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 悪性脳腫瘍 / グリオーマ / ホスホイノシタイド / がん幹細胞 / 脂質代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
膠芽腫に代表される悪性脳腫瘍は、治療抵抗性で極めて予後不良であり、新たな治療法開発が喫緊の課題である。疾患関連リン脂質群であるホスホイノシタイドは、がんの主要な異常シグナル伝達経路であることが豊富な基礎研究で明らかになっているものの、技術的な理由から臨床検体で解析することはこれまで困難であった。本研究では、悪性脳腫瘍におけるホスホイノシタイドの変容を、脳腫瘍幹細胞をターゲットとして新しい解析手法で解析することによって、悪性脳腫瘍の治療抵抗性機序を解明し、新規治療法の開発を行う。
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研究実績の概要 |
膠芽腫に代表される悪性脳腫瘍は、治療抵抗性で極めて予後不良であり、更なる病態解明や新たな治療法開発が求められている。そこで、疾患関連リン脂質群であるホスホイノシタイドに着目した。ホスホイノシタイドは、がんの主要な異常シグナル伝達経路であることが豊富な基礎研究で明らかになっているものの、技術的な理由から臨床検体で解析することはこれまで困難であった。そこで、悪性脳腫瘍におけるホスホイノシタイドの変容を脳腫瘍幹細胞をターゲットとして新しい手法で解析することによって、悪性脳腫瘍の治療抵抗性機序を解明することを目的として研究をおこなった。ホスホイノシタイド測定は、ヒト手術組織、血液などの臨床検体でのホスホイノシタイド解析を世界に先駆けて可能とした新しいホスホイノシタイドの包括測定法(Phosphoinositide Regioisomer Measurements by Chiral chromatography-tandem Mass Spectrometry: PRMC-MS法)で行った。悪性神経膠腫の手術検体(Oligodendroglioma, Astrocytoma, Glioblastoma)と膠芽腫患者手術検体からNeurosphere法でによる培養で分離した脳腫瘍幹細胞おいて、PRMC-MS法を用いて200種類のホスホイノシタイド分子群(バリアント) を定量した。ホスホイノシタイドバリアント定量結果と臨床情報(病理診断、遺伝子異常、全生存期間、無増悪生存期間、画像所見等)を統合的に解析し、悪性脳腫瘍に特異的なホスホイノシタイドバリアント候補を同定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
悪性脳腫瘍手術検体と脳腫瘍幹細胞におけるホスホイノシタイドバリアント定量が順調にすすみ、悪性脳腫瘍特異的なホスホイノシタイドバリアントを見出すことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、悪性脳腫瘍特異的ホスホイノシタイドバリアントを基質/生成物とする代謝酵素を同定し、リン脂質代謝を標的とした悪性脳腫瘍の病態・治療抵抗性機序の解明を試みる予定である。
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