研究課題/領域番号 |
23K08584
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
波呂 浩孝 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (10313264)
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研究分担者 |
大場 哲郎 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (70456490)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 椎間板変性 / トロンビン / マクロファージ / 椎間板穿刺モデル / 血管新生 |
研究開始時の研究の概要 |
腰痛の原因の一つに椎間板変性があり、このメカニズムを解明し、予防/改善することは社会的な喫緊の課題である。我々は、椎間板変性はマクロファージを中心とした炎症性細胞浸潤に起因することと、それに関連するサイトカイン(TNF-α, TWEAK, TSLPなど)/酵素の同定(MMP-3/7)を行ってきた。また近年、マクロファージのサブタイプの違いによる炎症制御機構も注目されてきている。本研究の目的はこれらの成果を発展させ、椎間板変性におけるマクロファージの各サブタイプの関与を解明し、マクロファージによる炎症を抑制することで椎間板変性の防止効果を明らかにすることである。
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研究実績の概要 |
椎間板変性のメカニズムを特定することは、腰椎疾患の成因解明に極めて重要である。我々は、これまでに椎間板ヘルニア退縮のメカニズムを同定してきており、炎症性サイトカイン(TNF-α、TWEAK、MCP-1)や蛋白分解酵素(MMPs)や血管新生因子(VEGF)やマクロファージの遊走が、重要であることが明らかとなっている。椎間板ヘルニア退縮と椎間板変性の機序において、いずれも炎症に起因することがわかっており、今回、これら一連のメカニズムのイニシエーターを同定すべく、実験を行った結果、新たな炎症イニシエーターとして、凝固因子として知られるトロンビンが重要な役割を果たしていることが明らかになった。 一方で、マクロファージはM1とM2という2つのサブタイプが存在し、M1マクロファージは組織の損傷時に誘導され炎症を惹起し、M2マクロファージは遅発性に誘導されて組織修復に作用する。椎間板変性におけるマクロファージは初期にはM1優位であること、経時的にM2優位になることが明らかになってきた。しかしながら、M1およびM2マクロファージが経時的な椎間板への作用機序は不明である。本研究では、マウスの椎間板穿刺モデルを使用し椎間板変性の経時的変化におけるマクロファージの分極化を見ている。さらにこのマクロファージの分極化にトロンビンが寄与している可能性がある。本研究では、マウスの骨髄および腹腔より未分化なマクロファージを採取し、in vitroでM1、M2の各サブタイプに分化させ椎間板と直接共培養させることにより、実際の変化を経時的に観察している。今後は、In vitroで明らかになったマクロファージ分化制御を椎間板変性モデル動物(マウス)に応用し、治療効果を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在の研究成果として、マウスの椎間板穿刺モデルを使用したin vivoモデルが、これまで研究に使用していた顕微鏡下でマウス椎間板を採取し培養するex vivoモデルと同様に椎間板変性を観察できることを確認した。同時にマウスの椎間板穿刺モデルにおいてもトロンビンが椎間板炎症に寄与していることが分かった。今後は娘の産生されたトロンビンがマクロファージの分極化にどのようにかかわっているのかを研究していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
過去の実験からの腹腔マクロファージ採取方法では、すでにマクロファージがM1に分極していることが分かり、ナイーブのM0マクロファージを骨髄から高純度に採取する方法を確立しているところである。まずは、in vitroにおいて、このM0マクロファージにトロンビンを投与し、分極化に与える影響について調べる。その後、マウスの椎間板穿刺モデルにおいてトロンビンの産生とマクロファージの分極化の関係、およびそのことが椎間板変性に寄与しているのかを確かめる予定である。
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