研究課題/領域番号 |
23K08598
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
|
研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
村上 由希 関西医科大学, 医学部, 講師 (50580106)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 漢方薬 / 骨粗鬆症治療 / 破骨細胞 / 骨芽細胞 / 骨代謝調整 / 破骨細胞分化 / 骨芽細胞分化 / 機能性分子 / 骨粗鬆症治療薬 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、漢方製剤は骨粗鬆症の予防治療において、低毒性、安全性、高効率、多標的、全体調節を利点として、顕著な治療効果を有することが臨床実証され、骨代謝に寄与する未同定の生理活性分子が多く存在することが期待される。そこで、本研究では漢方製剤のもつ骨代謝関連シグナル経路の調節メカニズムを明らかにすることを目的とする。作用機序を解明するために骨代謝を制御する破骨細胞や骨芽細胞の分化や機能へ及ぼす影響を細胞から個体レベルで明らかにする。さらに、有効性の高い単一の機能性分子を同定することで、骨恒常性を制御する分子基盤の解明を目指す。
|
研究実績の概要 |
超高齢社会における健康寿命の延伸に向けた取組みとして、骨粗鬆症の一次予防が喫緊の課題である。吸収と形成のバランス維持による骨代謝の正常化が骨の健康に重要であるが、骨代謝を調節する分子は十分に解明されていない。近年、漢方製剤は骨粗鬆症の予防治療において、低毒性、安全性、高効率、多標的、全体調節を利点として、顕著な治療効果を有することが臨床実証され、骨代謝に寄与する未同定の生理活性分子が多く存在することが期待される。そこで、本研究では漢方製剤のもつ骨代謝関連シグナル経路の調節メカニズムを明らかにすることを目的とする。 作用機序を解明するために骨代謝を制御する破骨細胞や骨芽細胞の分化や機能へ及ぼす影響を細胞から個体レベルで明らかにする。さらに、有効性の高い単一の機能性分子を同定することで、骨恒常性を制御する分子基盤の解明を目指す。 現在までに候補漢方製剤の6つのうち、Raw細胞を用いて、破骨細胞分化に対する影響を検討した。その結果、温経湯ならびに加味逍遙散が高い抑制能を持つことを明らかにした。またMC3T3-E1細胞を用いて骨芽細胞分化について同様に影響を調べたところ、加味逍遙散は濃度が低いほど、分化抑制能が高いことが明らかになった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
候補漢方製剤のうち、温経湯ならびに加味逍遙散が破骨細胞分化に対して、高い抑制能を持つことを明らかにした。骨芽細胞分化について同様に影響を調べたところ、加味逍遙散は濃度が低いほど、分化抑制能が高いことが明らかになった。さらにRANKL誘発性骨吸収モデルを用いて骨量の回復について検討したところ、温経湯投与によって、骨量の回復が促進されていた。現在、同様に加味逍遙散についても解析を進めており、概ね計画通り進行している。
|
今後の研究の推進方策 |
候補漢方薬のうち、骨代謝への影響が大きかった温経湯ならびに加味逍遙散において、共通で含まれている生薬を比較し、生薬の効果について検討を進める。また他の候補漢方薬についても同様の解析を進めていく予定である。今後は、機能性分子の同定に向けて、活性画分にも着目した解析を進める。
|