研究課題/領域番号 |
23K08604
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
森 優 東北大学, 大学病院, 講師 (70634541)
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研究分担者 |
濱井 瞭 東北大学, 歯学研究科, 助教 (00824004)
鈴木 治 東北大学, 歯学研究科, 教授 (60374948)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 骨補填材料 / リン酸八カルシウム / 乳酸グリコール酸共重合体 / 骨形成能 / 生体分解性 |
研究開始時の研究の概要 |
リン酸八カルシウム(OCP)は生体内で骨代謝環境を刺激し、早期から骨形成を促進し、速やかに生体内で分解・吸収されて骨組織に置換される。OCPを用いた理想的な人工骨、生体吸収性の骨接合材料の開発が期待できる。本研究ではOCP複合体の操作性と強度を高めるために乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)とOCPの複合体を作成し、その有用性を検討を行う。難治性骨欠損モデルとして、プレート固定を併用したラット大腿骨離断モデルにOCP/PLGA複合体を移植し、OCP/PLGA複合体による難治性骨欠損の骨修復をPLGA単体と比較検討し、OCP/PLGA複合体の骨修復の有用性を明らかにする。
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研究実績の概要 |
今年度はリン酸八カルシウム(OCP)と乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)の複合体の作成に着手した。先行研究(Oizumi et al, Acta Biomater, 2021)に基づいてOCPとPLGAの複合体を作成した。複合体内のOCPの含有率を20%、40%としたOCP/PLGA複合体を作成した。またOCP/PLGAの配合率以外にも気孔率、気孔系を変更した試料を作成、走査型電子顕微鏡(SEM)での観察、強度の測定などを行い試料の開発と分析を行った。OCPの含有率や気孔系、気孔率の調整により、骨補填材料の材料特性の変化について確認した。作成した複合体の物理的特性は、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察及び機械的強度の測定を通じて評価された。SEM観察により、複合体内のOCP粒子の分布状態や気孔の形状、サイズが明らかになり、複合体の微細構造に関する重要な情報を得ることができた。強度試験により、複合体の機械的性質が定量的に評価され、体内での使用に耐えうることを確認した。 また、ラット大腿骨の離断モデルのための固定材料の選定を行った。安楽死後のラット大腿骨の摘出骨を使用し、いくつかの固定材料の適合性の評価を行った。至適なプレートの長さやスクリュー孔数の検討を行った。in vivoモデルで使用するプレートについて検討が完了したので、今後は、OCP/PLGA試料の作製後にラット大腿骨離断モデルの実験を開始する予定である。 本年度の研究活動を通じて、OCP/PLGA複合体の作製とその物理的、機械的特性の基本的な評価を行った。さらに、生体適合性の初期評価も進められた。これらの成果は、将来的に骨折治療用の新たな固定材料の開発に貢献することが期待される。来年度は、生体内実験を含む更なる評価を進め、複合体の実用化に向けた研究を深めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
試料の作成はほぼ予定通りに完了した。また作成した試料の特性についても評価を行った。ラットを用いたin vivo試験も順次開始予定である。
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今後の研究の推進方策 |
試料の作成、解析については概ね完了した。 今後は動物実験モデルを開始し、研究の推進を加速していく予定である。
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